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第191話 忘れていた現実
【中山Side】
高原の腰をグッと引き寄せて、硬くなったソコをぐりぐり押し当てる。
太ももを撫で上げた手を下着の中に滑らせて、自分と同じ男とは思えないしっとりと柔らかな感触の尻を揉みしだく。
なんだコレ、大福か。
男同士って、……アレだよな?
後ろの穴、使うんだよな?
……もうちょっと……こっち?
いや、流石に初めてでいきなり指入れんのとか嫌がるか?
でも、……こっちら辺……?
そっと手を忍ばせ進ませていると、あと少し…のところで、
カクン───
と、高原の身体が力を失って滑り落ちた。
「───わわっ、…っぶねー」
慌てて支えて、どうしたのか確認しようと顔を覗き込もうとすれば、
ドゴッ!!!
「…ぃでっッ?!」
頭頂部に重い痛みを感じた。
「つ……いっってぇ……」
涙がビュッて飛び出たぞ、なんだ今の痛みは……
「何処までヤる気だ、テメェは」
「あ……?」
怒りに満ちた声の主を見やれば、羽崎が羅刹のごとき形相で俺を睨みつけていた。
「ヒッ…!」
忘れてた……忘れてたぞ俺。そうだ、こいつらが居たんだった───!!
「乱交パーティー気分か?」
そっ、そうだよ、柴藤にキスされて擦りつかせてたこいつが、なんで俺に向かって怒れるんだよ。
俺だってそうじゃん? 高原にキスされて、応えてただけじゃんか!
「言いたいことは分かるけど、俺は応えてねェぞ。酔って様子がおかしいことはすぐに分かったしな。大体テメェ、遼のことが好きなんじゃねェのか?」
「はァ!? んなんテメーにゃ関係ねーだろが」
ただでさえ柴藤独り占めしてんのに、他の奴まで好きになんなって制限する権利がテメーにあんのかっつーの!
寝てる高原を取られないように、身体に寄せて抱きしめる。
「女装してるからって女じゃねェんだぞ」
「はっ、…なんだソレ……」
女好きでカノジョころころ変えてた癖に、今は男と付き合ってるお前が言うとそう言うの、重い言葉に聞こえんのな。
俺は例え同じ男だとしても、柴藤を心から愛せます、ってか。
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