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第202話 勘違い…?
「じゃあさー、2人一緒に、パーティー参加しちゃう? 女の子もいっぱいいるよ、カレシー」
「は? なんで俺が態々女の相手してやんなきゃなんねェんだよ。遊んでる女なんか超しつっけェヤツらばっかじゃねーかよ、ウゼェ」
つーかテメェまだいたのか、と俺が思ったのと同じ事を吐き出した斗織は、少し踵のある靴を履いているせいで何時もよりも高い位置から、威圧を感じさせる視線をナンパの人に浴びせかける。
「そっ、そうだよね…、おにーさん、モテそうだもんね。でもさ、ほら、お酒飲み放題! お連れさんも、ね、カクテルや甘いお酒もあるよ!」
「こいつ、高校生だから」
「なら、ソフトドリンクもあるから大丈夫だよ~?」
この人、もしかして大学のなんとかサークルのパー券捌いてる人なのかな?
じゃあ、ナンパじゃなくて、俺たち2人をパーティに誘いたかった…?
あっ、なら、別に俺は女の子に間違えられたんじゃないんじゃ………
あはは、なぁーんだ。
そうだよね! 女装もしてない俺が、女の子に見間違えられるわけないじゃん!
「それからアンタさぁ、勘違ってっかもしんねーけど、こいつ男だから」
「は?………はあぁ!?」
「は、…はあってなんだよ! どう見たって俺は男だろーが!」
「いやっ、ちがう! 店の外で待つ姿は乙女だった!」
「んなわけあるか! 目ぇ腐ってんのか!」
「え、男、…ええっ?!」
「斗織っ、この人、ムカツク!!」
「はいはい」
窘めるようにぽんぽんって撫でてくる斗織も、その適当な返事、ヒドいと思う……。
「つー訳で、お姫様はご立腹だ。他を当たれ」
「お姫様!?」
斗織の言葉には納得行かないけど、「行くぞ」って腰を抱いてくれたぬくもりは優しかったから、俺はおとなしくそれに従った。
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