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第205話 水も滴るイイ男

買ってもらったテイクアウトのオードブルを冷蔵庫にしまって、部屋着と替えの下着を持って斗織の待つお風呂へ向かう。 斗織は着替え持ったかな?と脱衣所を見れば、バスタオルを用意したカゴの上に、モスグリーンの渋い浴衣と黒色の帯が置いてあった。 これは、寝間着用かな? 俺と同じ高2なのに、こう言うの着こなしちゃうんだから、……やっぱり斗織はかっこいいよなぁ。 その隣に、一瞬だけ着たルームウェアを脱いで置く。 イエローのボーダー柄の、ふわもこルームウェア上下セット+ニーソ。 とおるくんに合わせて、うさぎの耳と尻尾付きだ。 尻尾は座るときにも邪魔にならないように、良くあるポンポン尻尾じゃなくて本物のうさちゃんみたいになってるのが、お姉ちゃん(デザイナー)の拘りらしい。 「入りまーす」 断ってドアを開く。 斗織はバスチェアに座って頭を流しているところだった。 シャワーを止めて、こっちを見る。 うわわわ、水も滴るイイ男。 「遼、頭洗ってやる。ここ座れ」 立ち上がって、椅子を差し出す。 「え、えっ、悪いよ。て言うか恥ずかしいっ」 「今日明日はお前のこと目一杯甘やかすつもりでいんだよ。どうしても嫌だっつーなら、頭じゃなくて身体洗ってやってもいいんだけどな」 フッと悪戯に笑われて、慌てて椅子に腰を下ろした。 だって、髪触られてるだけでも気持ちいいのに、身体をあわあわの手で洗われたりなんかしたら、絶対反応しちゃうもん。 洗ってもらってるだけなのにそんなの、流石に恥ずかし過ぎる。 「おねがいします!」 「おう」 斗織は俺の焦りを読み取ったのか、苦笑しながらシャワーヘッドを手に取った。

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