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第210話 級長の問題

明日は朝から行けるって言われた前夜。 級長がBL本の新刊を手に入れたってLimeをくれた。 俺じゃなくて同好会の友達と話せば?とやんわりと、話を終わらせようとすれば、もう既に語り合った後だったらしい。 こういう萌えどころが有った、ほのぼのもいいですね、今度お貸ししますね。の言葉に『ほのぼのならお借りします』と返したところで、話が一段落付いた。 しばらく受信が途切れたから、終わりなのかな?と思っていれば、 『そう言えば、もう直ではしましたか?』 唐突にそれだけ送られてくる。 『直って?』 ちょく?なお?で、した?って……どういう意味だろう? 『“じか”  解かりやすく言い直しますと、生(なま)ではしましたか?  と言う質問なんですが。』 生…って………っ!! 生って、そういう意味!? ゴム付けないで、直にしましたか?って言う……!? そういう意味での『じか』!? 『不躾な質問でしたね。  失礼しました。』 すぐに送られてくる謝罪の言葉とスタンプ。 …って、『シッシッシッ』て人の悪い顔で笑ってるイヌのスタンプ。 謝罪する気無いじゃん!! 『級長のえっちー!』 怒り心頭のスタンプを送り返す。 リスがキーッ!ってなってるやつ。 『すみません。』 重ねて土下座のスタンプ。 「…………もお…」 文字とスタンプだけじゃ、反省してるのかしてないのか分からない。 けど、よくよく考えてみればそんなに怒ってるわけでもないし。 『生ではしてないですけど、なんですか?』 正直にそう送り返す。 『同好会の友人から聞いたのですが、生で中に出された際には普段よりも念入りな処理が必要になると言うので、』 えっ、そうなの? 『その内そういう事もあるかと思いますので、調べて後ほどメールで送っておきます。』 『そこまでしてもらうの悪いよ。  自分で調べるから、大丈夫』 『いえ。君が調べようとしておかしなサイトに紛れ込んでしまっては、余計なことを吹き込むなと僕が羽崎君に怒られてしまいます。  それに、僕の知識探求の邪魔をしてはいけませんよ』 メッ!ってスタンプが送られてきて、思わずふふっと笑ってしまった。 良い友達持ったなぁ、俺。 そして翌日、文字数の多い生々しいメールが送られてきたのは、斗織が家に来てくれるほんの30分程前の事だった。

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