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第216話 まさかの拘束プレイ

ベッドに寝転んでゴロゴロ。 腕枕に身を任せて、つけてあるテレビの音を聴くでもなしに聞き流す。 視界はずっと、斗織でいっぱい。 だって、特番出てるイケメン俳優より、イケメンアイドルより、斗織の方がかっこいいんだもん。 そして、俺の腕の中には黒うさぎのとおるくん。 こっちも大層なイケメンだ。 抱き心地もふわっふわでモコモコで、柔らかくて気持ちいい。 「遼、お前眠くねェの?平気か?」 ふと振り返って目を合わせてくるから、嬉しくてふにゃんと笑みが溢れちゃう。 ホントはもっと普通にしていたいんだけど、ついついこんな顔になっちゃうんだから、恥ずかしいけどしょーがない。 「うん。へいきー」 パーティで寝ちゃったからかな? お風呂でオチたのも原因かも。 気付けば時刻は午後11時59分。 いつもは寝てる時間なのに、今日はまだねむたくない。 後1分で俺の誕生日。 毎年それは、父さんがお祝いしてくれて、母さんとお姉ちゃんから電話を貰って、プレゼントは3人分。 家族にありがとうって感謝するだけの日だったけれど。 「遼、目ェ瞑ってろ」 すごい…! なにこのサプライズ感!! はぁい、と答えて瞼を下ろす。 「あっ、俺寝転んだままでいいの?起き上がる?」 「まんまでいいだろ」 フッ、と斗織が小さく笑う。 斗織のこの笑い方、好きだ。 呆れたみたいな、だけどすっごく優しい目をして俺のことを見てる。 しょうがねェな、って細める瞳を見ていると、愛されてるなって。 胸がぽかぽかして、「だいすきっ」って抱きつきたくなる。 でも、外じゃ流石に目立っちゃうから、ちゃんと我慢して、2人きりになるタイミングを待って思い切り甘えるんだ。 ……まあ、5…3回に1回くらいは、堪え切れずに抱き着いちゃってるかもしれないけど…。 あ!でもそれも腕にだから、大丈夫!セーフ! それにしても、おかしいな…? 勝手にキス待ちしてたけど、さっきから斗織は俺の頭の方じゃなくて、お腹辺りでモゾモゾしてる。 手に触れたかと思えば、何か腕に巻き付けて。 ───えっ、ちょっと待って! まさかコレ……、手錠じゃあ!! えっ、だって、俺もうお尻ムリって言ったよね!? なのにまさかの手錠拘束プレイ!!?

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