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第226話 テクテクデート

「うえっぷ……、出ちゃいそ…」 「よく食ったな。出すなよ、勿体無ェから」 笑いながら撫でてくれる斗織を、少し恨めしげに見上げる。 ううん、ご馳走してくれたし褒めてくれてるんだし、感謝はすれども恨みに思うことなんて無い筈…なんだけど。 なんで俺の1.5倍は食べてるのに全然平気そうなんだよ! 俺、ベルト2個は緩めたんだけど!! 「なんだよ?」 膨らんだほっぺを掌で包んで覗き込んでくる。 ちょっと楽しそうなその顔に、毒気が削がれて、プッと息を吐き出した。 「もお。ご飯の後は、何処行くの?」 「もう機嫌直ったのか?」 「元々悪くないよ。楽しいもん」 ただ斗織が全然平気そうだから同じ男として悔しかっただけだと告げれば、羨まれた本人はしたり顔でもう一度俺の頭を撫でた。 拍車の掛かった子供扱いにまた少しムッとなるけど…… まあ、こう言うとこ、案外子供で可愛いんだよね、斗織。 自分の方が男で、大人でありたいって言うか。 抱く方の立場だから?精神的優位に立っていたいんだろうか。 それとも俺に、格好良く思われたいのかな。なんて。 ちょっとくらい調子乗っちゃっても平気? 「で?カレシさんは、次は俺を何処に連れてってくれるの?」 「んー…、お前、電車乗れそう?」 駅へ向かう人混みに紛れて歩きながら、気遣わしげに訊かれた。 正直お腹いっぱいで、今電車に乗ったら吐いちゃいそうだけど。 「少し休むか?」 「あっ、ううん、大丈夫」 「じゃあ、少し歩くか」 手を引かれて、青信号を駅の手前で右側に渡った。 「2駅、歩けるよな?」 「線にも寄るけど…」 「山手線」 山手線なら、2駅、大体電車で5分くらい。歩いても20分あれば余裕かな。 「うん。お腹いっぱいだし、歩こうか」 手を繋いでテクテクデート。 それも楽しそうだ。

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