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第232話 ヘタヘタペンギン
【斗織Side】
「わっ、ひゃあ~ぁ~っ、ゴールぅっ!」
へろへろと危なっかしく滑って、胸に抱き着いてくる遼を支えて、頭を撫でてやる。
「大分様になってきたな」
っつーのは、少々大袈裟だが。
ほんと!?と嬉しそうな顔を見れば、褒めてやってお互い損は無いだろう。
「楽しいか?」
「楽しいよ!」
初めに泣きべそかいてたのが嘘みたいな笑顔だな。
「尻痛くねェの?」
何度か突いた尻もちで濡れた尻たぶを揉むと、もー、と頬を膨らませる。
「そろそろ疲れただろ。なんか温かいもん買ってくっから、そこ座って待ってろ」
ベンチを指差すと「はーい」と答えて、すぐに笑顔に戻った。
俺の後についてヘタヘタ歩く姿は、まるでペンギンの子供みたいだ。
近くのベンチに無事に座るのを見届けてから、カップのドリンクが売ってる自販機へ急ぐ。
遼には、ココアか。
そう言やアイツ、猫舌だったな。
このままじゃ直ぐに飲めねェよな……。
しょーがね。
遼にホットココアを買った後、自分にはアイスココアを選ぶ。
備え付けのスプーンで氷を少し分けて、熱くない程度に冷ます。
こんぐらいか?
一応口はつけてみるが、遼にとって熱いのか熱くないのかまでは良く分からない。
まあ、熱かったらもう少し氷を分けてやればいいか。
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