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第264話 禁則事項です
【リューガSide】
クリスマスイブでも、裁判官って仕事は忙しいらしい。
級長のお父さんは、今日は裁判所の近くのホテルに泊まるそうだ。
んでもってその奥さん、級長のお母さんは暇で暇でしょーがないから、友達と皆で地方の温泉で泊まりがけクリスマスパーティーだとか。
な訳で、ツリーがLED電球をピカピカ光らせる級長の家で、オレは今パーティーの飾り付け真っ最中。
明日、25日は皆でクリスマスに加え、リョーちんのバースデーのパーティーだもんな。
気合入れて、カッコよく飾んねーと!
オレが部屋の角の方にリボンをたゆませ飾っている隣の部屋からは、ダダダダ、ダダダダって、機械音。
級長が使ってるミシンの音だ。
級長はどうやら、オレたちの衣装(?)を作ってるらしい。自分のは無いのか、それとももう持ってんのか。
「絶対に覗いてはいけませんよ。本番までの秘密です」
「見ないからさ、何作ってるかだけ!」
「禁則事項です」
「ケチーッ!」
鶴の恩返しか!
禁則事項らしいんで、一体どんなん用意してんのかはわかんねー。
でも、昨日着させられたみたいな女装系じゃないと思う。
「もうミニスカポリス、ヤダかんな!」つったら、「そう言う類の衣装ではありませんよ」って言ってたから。
「んっ、こんなもんかな」
用意されてた装飾用の小物を全部使い終えた室内を見渡す。
赤、緑、金を基調とした飾りつけ。
おっ、オレなかなかセンスよくねー?
こりゃ、トオルのヤツも見直すんじゃね。
リョーちんなんか、感動で泣いちまうかも。
「きゅーちょー、終わった~!」
開けるなと言われた部屋の前で大声を出す。
「はい、ご苦労様でした」
「………」
なに?そんだけかよ?
「きゅーちょーっ!」
「どうしました?」
「どうしたじゃなくて、終わったー!」
「はい、お疲れ様です」
だから、なんでそんだけなんだよ!!
「オレ、ちょー頑張ったんだからな!そろそろ出てきて構えーっ!」
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