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第267話 パーティー前のひと時を君と

ふと、背中をさわさわされている感触に気付いた。 顔を上げると、 「いや、この布、気持ちいいな」 ナッツ色のリスの背中のシマを毛並みに沿って擦られる。 「うん、お姉ちゃんとこのルームウェアの生地、どれも気持ちいいんだよね」 フードも被って、斗織のほっぺにすりすり。 「もっと触ってもいいですよ」 「じゃ、遠慮なく」 目を合わせて、ニヤリと笑われた。 普段から斗織、遠慮なんてしてたっけ? そんなことを考えていると、斗織の手はシマをスイ~スイ。 シマを伝ってお尻までツーっと撫でて、尻尾をきゅっと掴まれた。 勿論尻尾はただの布で神経なんて通ってないから、伝わってきたのはショーパンをグイッて持ち上げられる感覚。 「んっ、それやぁ、……ひぁっ…!」 「どうした?」 高く上がってしまった声に、人の悪い笑みを向けられる。 どうした?じゃない!急に素肌をやらしい感じに触られたら、誰だって驚くってーの! 「もっと触っていいって言っただろ?」 「言った……けどっ」 それは、ルームウェアを触っていいって言う意味で!! 「…は…ん……っ…」 お尻を直に撫で上げられて、吐息が甘さを帯びていく。 「どっちがいい?布触られんのと、ここ触られんのと」 手が前に回って、半分くらい勃ちあがったトコをぐぐっと擦り上げられた。 「んぁっ、んんぅ…」 だめ、それ…ゾクゾクくるぅ……っ。 今日はこれから皆とパーティーなのに、それなのに触って欲しくなっちゃって…… 時間はまだ平気?と時計に目をやれば、斗織が顔を寄せて、耳たぶをくちゅりと食みながら囁いてくる。 「なに?お前よそ見なんかしてる余裕あんの?」 少し声の枯れた低い囁きに、反応するなって方が、……もうムリ…っ!! それに、家出るまでまだ3時間もあるもん。 「とおるぅ…、脱がしてもいいからぁ」 自分で裾を捲って肌を露出させれば、フッと吹き出すように笑われたのが分かった。 だけどそれは勿論、バカにするようなものではなくて、呆れたものでもなくて。 「寒いから脱がなくていい。着たまま触ってやるよ。…上はな」 お尻をむぎゅってしてきた斗織は、優しいのか意地悪なのか分からない笑みを浮かべて、俺の腰をグイッと抱き寄せたのだった。

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