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第274話 正座
食後の後片付け。
俺が食器を洗って、ひろたんがそれを拭いて、級長が食器棚に仕舞う。
その間に斗織と中山が黙々とダイニングセットを移動させてくれる。
…うん、黙々と。
中山がちょっとビクビクしてるのは可哀想っていうか……。
でも、それを見てるリューガくんはお腹抱えて大笑い。
そんなに楽しいかなぁ?
ひろたんは心配みたいで、チラチラ気にしてる。
片付けを終えて、皆それぞれラグの上のクッションやソファーに腰を下ろした。
ところが級長は立ったまま、楽しそうに俺達を眺めてる。
斗織はラグに胡座。洋装の時は正座じゃなくて、脚を崩している時が多い。
俺はその隣に座ってる。
リューガくんは真っ先にソファーに飛び込んで、中山はひろたんを呼んで俺達とは離れてるけどラグの上。
当たり前に隣同士に座る恋人同士を見て、喜んでるんだろうか。腐男子として。
だけど級長の思考は、俺のそんな想像を遥かに超えていた。
「紫藤君、高原君。2人はそこに正座してください」
「へっ…?」
「ああ、崩し気味で構いませんよ」
どういう事?
良くわからないけど、言われたとおりに正座する。
…なんだろ?怒られるわけじゃないと思うけど……。
不安になって級長を見つめると、にっこりと笑って見せる。
………余計に不安……
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