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第278話 プレゼント交換
中山の話は有耶無耶に終了。
「そろそろプレゼント交換をしましょうか」
級長がそう言うからカバンからプレゼントを出しに行こうとすれば、「そのままでいいですよ」と止められた。
リューガくんに膝から退いてもらって、室外へ出た級長。戻ってきたその手には、小さな箱。
上の部分がまるーく空いてて、だけど中は見えないようになってる、福引き箱仕様。手作りみたいだけど。
「この中に6枚のカラーのチップが入っています」
級長が言うには、こうだ。
一人一枚ずつチップを取る。
そこにマジックで好きなマークを書き、箱へ戻す。
この時、他の人には決して自分のチップの色を見せてはいけない。
そして、戻されたチップを、また一人一枚取っていく。
この時もし、自分が先に選んだ色を取ってしまった時には戻しチップを取り直す。
最後の人が自分のチップを取らなければ、それでプレゼントは決定。
円になった中央の箱に背を向けて、一人ずつチップを取っていく。
リューガくん、斗織、俺、ひろたん、中山、級長の順に振り返って、それぞれ1枚のチップを手にした。
俺のは黄色。
お花のマークを描いて、また順番に手の中に握りこんだチップを戻していく。
三周目、今度は誰かの入れたチップを取っていく番。
そっと手を入れ一つ取り出す。
ピンクのチップにハートマーク。
イメージではこれ、ひろたんだなぁ。
俺のは誰に当たったかな?
最後の級長も、自分の入れた以外のチップが引けたみたい。
「まだ見せてはいけませんよ」
そう言われたから掌に握りこんで、開いていいと言われるのを待つ。
だけど級長はまた福引き箱を指すと、自分の取った色を覚えて箱に戻すようにと言った。
皆が戻し終えると全て取り出し、ラグの上にひとつひとつ、距離を空けて置いていく。
「では、廊下へ出ましょう」
良く分からないままに級長の後に続いた。
「では、一人ひとり、自分がマークを描いた最初のチップの下にプレゼントを置いて戻ってきて頂きます、が」
随分と手の混んだプレゼント交換だ。
小学生の時は…どうだっけ?音楽に合わせて回して、止まったところで持ってたプレゼントが自分のものになったんだっけ。
「羽崎君と紫藤君は一緒に買いに行きましたか?」
ボーッと昔の記憶を辿っていたら、唐突に自分の名前が耳に入り込んできた。
「俺のは一人で買ったけど、遼のやつ買った時は一緒だった」
斗織が答えてくれて、それに対して級長は、「では、紫藤君」と俺を呼ぶ。
「はい」
「紫藤君が1番、2番目は羽崎君」
次々と呼ばれていく順序と名前。
「では以上の順番で宜しくお願いします」
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