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第279話 プレゼントの贈り主は
1番の俺は部屋に入り、カバンから出したプレゼントに、黄色いチップを乗せる。
これでいいのかな?
部屋を出て、斗織にチェンジ。
最後に級長が部屋に入り、数秒後。
「どうぞ入って下さい」
ドアが中から開いた。
「では、先ほど引いたチップのプレゼントをお取り下さい」
ピンク、ピンクのハートっ。
もう俺の中では勝手にひろたんのプレゼントって頭になっちゃってるんだけど。
中身は何かなあ?
「うおっ!問題集!?」
中山が突然おっきい声を出した。
「ああ、それは僕のプレゼントです。運がいいですね」
存分に勉強して下さい、って言う級長に、中山は心底嫌そうな顔。
……うーん…、俺のプレゼント、ひろたんからのだからホントはやだけど……
「中山、俺問題集欲しいからこれと交換する?」
仕方ないから助け舟を出してみれば、
「ヒドッ、紫藤!それ俺のプレゼント!」
思い切り嘆かれた。
「え…えー…?でもこれ、ピンクのハート…」
「いや、ピンクは好きで選んだんじゃねーしっ」
「じゃあハート描くなよぉっ」
折角助け舟を出したのに、中山の奴め~~っ。
なら問題集ちゃーんと全部解けよ!と怒ってみせるとまた中山は泣きそうな声を出す。
もう。大体中山のプレゼントって中身なんなの?サッカーボールとかじゃないよね。
ボールいらないよ、俺。
「遼」
背中から腰に手を回して引き寄せられて、斗織の胸にポスンと収まる。
「なぁに?」
「それ、これと取っ替えてやる」
「え?」
斗織の手には、可愛らしい桜色の厚手のショップのビニールバッグ。
「あっ、りょーくん、それ僕の」
「えっ、ひろたんの?」
じゃあ取り替えてもらお、と自分が持ってるのと交換すると、
「ちょっ、プレゼント交換ってそう言うんじゃないだろ!取ったら最後の闇鍋じゃーん」
中山がうるさい。
「いーの。俺、ひろたんのがいいもーん」
「俺、それ使えねェし」
斗織が続けてそう言うから、袋の中を改めた。
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