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第307話 6日ぶりの逢瀬

取り敢えず手洗ってうがいしてきて!と背中を押すと、斗織はおとなしく脱衣所の洗面台へと向かっていった。 「手、洗った」 戻ってきたその手には、バスタオルが乗ってる。 ……用意周到ですね…。 それ敷いたら布団汚れないから、ってね…… うっは、斗織ってばヤる気満々。 斗織はベッドに腰掛けると、俺に向かって両手を広げた。 「……ふふっ、この前の俺と同じだ」 斗織はあざとく小首傾げたりなんてしないけどね。 ふ、と思い付いて、胸に飛び込むじゃなく、斗織の足元に座り込む。 脚の間から見上げると、頭をぽふっと撫でられた。 そのまま耳を擽ってくるから、通常でも俺のよりも立派なソコに反対側の頬をすりっと擦り付ける。 「こら遼、上がって来い」 「だぁめー」 布越しにちゅってすればすぐムクムクってさせるくせにさ。 脇に手を突っ込んで、膝の上に抱き上げられた。 わぁー、俺のカレシ力持ちー…。 なんだよー!今日こそ忘れず、真っ先にパックンしようと思ったのに! 「なんだよお前は。まずはこっちだろ」 チュッと触れるだけのキス。 6日ぶりの触れ合い。 おでこをくっつけて見つめ合う。 ちょっとツリ気味の切れ長の目。綺麗な二重瞼の下の黒い瞳、程よい太さのまっすぐの眉。 かっこいい…!! ラブラブ光線を送ってると、また首を傾けてチュッてされる。 「んーっ」 「どうした?」 「むー…」 どうしたじゃなーい! なんだその物足りないのは! 「もっとー、ちゅーっ」 首に腕を巻き付けて甘えれば、斗織はやっぱり気付いて知らんぷりしてたみたいで、 押さえた口元、口の端からプッと息を噴き出して、 「ホント、お前は欲望に忠実だよな」 失礼なことを口にしながら、俺の腰をキュッと引き寄せた。 「まあ…そんなトコも嫌いじゃねェけど」 なんだよもう、意地悪な笑い方してさ。 でも俺だって負けてないもんっ。 誕生日を迎えて年も越した、NEW俺!の切り返しを食らえ! 「俺も、…その照れてつい可愛くないコト言っちゃうとこ、嫌いじゃないですよ?」 「……るせェ」 ふふっ、もっと照れた~。斗織かわい~。 満足して笑ってると、おでこをピンッて弾かれる。 「ぴゃっ?! もうっ、暴力反対~っ」 「はいはい」 全然反省してない返事だ! 「とお…ぁんっ!いきなりそんなトコ触るなぁっ」 「プッ……はいはい」 「あっ…ふ…ぁっ、待ってってばぁ…っ」

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