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第310話 念願の……
【斗織Side】
唇に軽くひとつキスを落とすと、遼は足元に勢い良く沈み込んだ。
楽しそうに、ふふ~♪と鼻歌交じりに、俺の着流しの裾を割る。
「オイ、遼」
「止めちゃダメ!怒りますよ」
勝手にパンツを下ろされても、文句を言えば逆に怒られるらしい。
俺のモノを取り出すと、遼は嬉しそうにそれを一撫で、愛しげに口付けた。
途端ムクリと反応したのは男の性だから、止めようとしてた手前、なんだが………触れないでもらえると有り難い。
「……今日はまたなんで、そんな咥えんのに拘ってんだよ?」
ベッドに座った瞬間から幾度となく狙われてきた股間。
別に守る必要もなかったんだが、俺が先にイクのはプライド的に許せねェってのと、早くツッコませろってんで、ここまで咥えさせずにきた。
ゴム越しとはいえ一度挿れたら、咥えさせんのも良くねェだろ、衛生的に。
首筋を擽りながら訊ねれば、遼は先っぽを咥えてた唇をチュポンッと離し、とろんとした目で俺を見上げる。
「だって、この前後悔したんだもん。俺、なんで勝手に咥えちゃわなかったんだろ…って」
「………そうか」
良く分かんねェが、今日は咥えずに後悔したくねーんだろう。
俺が頷いて見せれば、遼は納得させられたと安心したんだろう。
朱い舌を見せながらピチャピチャと音を立て、俺のよりも白くて細い綺麗な指で硬度を増すモノを扱き出した。
風呂上がり間もない桜に色付いた肌。
遼は年末に置いてった俺の着流し──昨日漸く洗濯したらしい──を羽織り、開いた胸元から弄り倒されて赤く膨れた乳首をチラチラと見せつけてくる。
直接的な刺激に、間接的な刺激。
うっとりと俺の雄棒を舐め、無意識に艶めかしく腰を振る。俺の足に股間を擦り付けて甘い声を漏らす。
ンなことされりゃあ、抑えようとしてた衝動だって……
「っ……は…、……たく、よ…」
ちゅぷん、とそそり立ったモノを放して、目を上げる。
「いらっしゃいませ。挿入りますか?」
……なんだ、その期待に満ちたキラッキラの目は。
「挿れねェよ」
「じゃあお口にたっぷり下さい」
「もうタップリは出ねェだろ…」
「…ぶー……」
ぶー、ってなんだその文句の言い方は。可愛いな、クソ。
大体コイツ、俺のことなんだと思ってやがる。底無しか。無限にゃ出ねェわ。
「ほら、尻出してこっち向けろ」
裾を捲って、男のくせにプリッとした尻を軽くペチンと叩く。
遼は唇を尖らせて、恨めしげに俺を見た。
「挿れてくれないのにぃ?」
「いいから。遼、四つん這い」
「……はい」
目の前に突き出された尻たぶの間にローションを垂らす。
「んっっ……」
ヒクリと孔が締まった。
そのヤラシイ動きに、勝手にモノが反応する。
逸る気を抑えて、ローションを落とした掌で太もも、タマを撫で擦る。
肌がスベスベして気持ちいい。袋は既にすっからかんで、よりリアルに中のタマだけを感じる。
「ゃ…ぁん…」
鼻から抜ける声が、脳を痺れさせた。
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