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第365話 報告会(1)
「それでは、バレンタインデーの報告会を始めたいと思います。まずはりぅがくんからどうぞ!」
「おぉーっ」
パチパチパチ
「俺からかよ!」
「そうだよー。だって俺たちはカレシに渡しただけだもん」
「結果からよろしくお願いします!」
その顔見たら結果なんて一目瞭然だけどさ、ちょっと照れてるリューガくんを急かして、報告会スタート!
「結果は…まぁ、な……コレってことで!」
頭を掻いてた手でピースを作って、リューガくんはその顔に笑みを湛えた。
「チョキ?チョキってなぁに?」
「え?チョキなの?半分…ってこと…?」
俺は態とボケてみたんだけど、ひろたんは本気みたいだ。きょとんってしちゃった。
「いや、チョキじゃねーよ!」
ズビシッ!とツッコんだリューガくんは俺のボケに気付いてるみたい。
「おめでとう、リューガくん!ねぇ、もうちゅーした?」
「あっ!やっぱりオッケーだったんだね!おめでとう!! ちゅーしたの?」
「イヤ待てお前ら!えっ、なに?そーゆー事すら言わなきゃなんねぇ報告会なのか!?」
「うん!で、ドコまでしたの?」
「リョーちん~~っッ」
リューガくん、照れて真っ赤になっちゃってる。
テレ屋さんの受けちゃんですか。ご馳走様です!
「あっ!」
ふと何かに気付いたようで、リューガくんが声を上げた。
「そーだ。昨日さ、両想いだって分かった瞬間、サプラーイズ!って百合子さん…リクトの母ちゃんが出て来てさ。ずっと一緒でそんな間全然無かったから、なんもしてねー」
「えーっ!つまんな~い!」
「つまんなーい。じゃあ、今日の放課後、する?」
「ひろたんがそゆこと言っちゃダメだろぉっ」
「構わないのです」
「ひろたんもオトナの階段上ったんだね!」
「っ!?…そうなのか?ひろたん…?」
「えっ、えっ?!」
「じゃあ、次はひろたん、お願いします」
「………。よしっ、来い!ひろたん!」
リューガくんの時はノリノリだったのに、ぶわって顔真っ赤にすると黙り込んじゃったひろたん。
これは何かあったな……って、そう勘繰らざるを得ない。
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