365 / 418
第365話 報告会(1)
「それでは、バレンタインデーの報告会を始めたいと思います。まずはりぅがくんからどうぞ!」
「おぉーっ」
パチパチパチ
「俺からかよ!」
「そうだよー。だって俺たちはカレシに渡しただけだもん」
「結果からよろしくお願いします!」
その顔見たら結果なんて一目瞭然だけどさ、ちょっと照れてるリューガくんを急かして、報告会スタート!
「結果は……まぁ、な………コレってことで!」
頭を掻いてた手でピースを作って、リューガくんはその顔に笑みを湛えた。
「チョキ? チョキってなぁに?」
「え? チョキなの? 半分…ってこと……?」
俺は態とボケてみたんだけど、ひろたんは本気みたいだ。きょとんってしちゃった。
「いや、チョキじゃねーよ!」
ズビシッ! とツッコんだリューガくんは俺のボケに気付いてるみたい。
「おめでとう、リューガくん! ねぇ、もうちゅーした?」
「あっ! やっぱりオッケーだったんだね! おめでとう!! ちゅーしたの?」
「イヤ待てお前ら! えっ、なに? そーゆー事すら言わなきゃなんねぇ報告会なのか!?」
「うん! で、ドコまでしたの?」
「リョーちん~~っッ」
リューガくん、照れて真っ赤になっちゃってる。
テレ屋さんの受けちゃんですか。ご馳走様です!
「あっ!」
ふと何かに気付いたようで、リューガくんが声を上げた。
「そーだ。昨日さ、両想いだって分かった瞬間、サプラーイズ!って百合子さん…リクトの母ちゃんが出て来てさ。ずっと一緒でそんな間全然無かったから、なんもしてねー」
「えーっ! つまんな~い!」
「つまんなーい。じゃあ、今日の放課後、する?」
「ひろたんがそゆこと言っちゃダメだろぉっ」
「構わないのです」
「ひろたんもオトナの階段上ったんだね!」
「っ!? ……そうなのか? ひろたん…?」
「えっ、えっ?!」
「じゃあ、次はひろたん、お願いします」
「………。よしっ、来い! ひろたん!」
リューガくんの時はノリノリだったのに、ぶわって顔真っ赤にすると黙り込んじゃったひろたん。
これは何かあったな……って、そう勘繰らざるを得ない。
ともだちにシェアしよう!

