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第368話 報告会(観覧席から)

【斗織Side】 「3人とも可愛いですね」 慈愛の眼差しで見守りながら、級長は口に箸を運び続ける。  外から見りゃ優しいお兄さん然としてるが、頭の中ではきっと…エロいこと考えてんだろうな。このムッツリ。 朝、寝坊したらしくマメは遅刻寸前走り込み、移動教室→移動教室→体育→世界史からの、漸く昼休み。 待ってましたとばかりに3人は弁当持って屋上へ走り、 「報告会があるので、3人はちょっと離れた所にいてください」 弁当を広げてその『報告会』ってのを始めた。 俺たちは言われたように幾らか離れたとこに座り、3人を眺めながらメシを食う。 いつものように円になるのもおかしなもんで、級長を真ん中に横並び。 見てる先で、級長曰く『受けちゃん3人』は、拍手したりピースしたり、赤くなってバタバタしたり、最後には遼以外の2人が転がり出した。 女子会か!もしくは小学生の集まりか!! とても同い年の男達の会議には思えないその状況に、級長は微笑ましそうに見惚れてるし、中山は気持ち悪ぃ顔で食事の手を止めてる。 まともな感性を持つのは俺だけか。 「遼!」 転がってる2人を見て微笑んでる聖母な遼。 (↑まともな感性?) 俺の声に気付くと振り返り、蕩ける笑みで「なぁに?」と応えた。 「早く食わねェと昼休み終わんぞ」 「あっ…!はぁい。りぅがくんっ、ひろたんっ、転がって遊んでる場合じゃないよ」 「遊んでねぇよ?!」 「りょーくんが変なこと言うからぁっ」 「えへ。だって俺が一番おにいさんなんだもん。色々教えてあげないとねっ」 「いや、言い方は可愛いけどさぁ!」 「わーん!りょーくんが悩殺してくるぅっ」 「「「………………」」」 なにやってんだ、あいつら…… 「ところで羽崎君、チョコソースプレイは如何でしたか?」 いつの間にか食い終わってた弁当箱の蓋を閉じながら、級長の視線がこっちを捉えた。 「はぁっ?!ちょこっ!そーす!?プレイ!!?」 中山うるせェシネ。 「ああ、ヤバかった」 「そうですか。それは何よりです」 満足そうに頷く級長は、まだヤッてねェのか……。 マメのあの調子じゃ、そう言う雰囲気でもねーかもな。 つか、マメ相手に勃つとか、級長ショタか。変態クセェ。 「あと、マナちゃんから食えるローションっての貰って、それ尻に使った」 「は…、はぁっ!?なんっ…それっ!?食え…っっ?!」 ………中山マジうるせェ!! 「苺ミルク味のヤツで、こっちもヤバかった。尻孔解す時に白いのがこう…泡立って、………あれはスゲェ。その後舐められんのがヤベェ」 無意識に唾を飲み込む。 ………今のデッケー嚥下音は中山だろ。 俺の音に隠れねェって、どんだけ本気でヨダレ垂らしかけてんだよ。 「僕たちも報告会しますか?」 「羽崎、なんなら聞いてやってもいいけど」 なんだ聞いてやってもいいって。 テメェは、遼のエロい話が聞きてェだけだろーが! 「しねェよ」 「それは残念です」 ニコッと笑う級長が、冗談言って俺をからかってたってのはよく分かった。 けど中山……、コイツは本気だ。本気で、遼のエロい時の話、聞きたがってた。 「テメェ、次、遼に如何わしい目向けたら目ェ潰すからな」 「えっ!?ちが…っ!参考に…っ、参考にさせて下さいっ!」 人差指と中指を2本合わせてカギ状にした手を抉り出すように目に近付けると、中山は恐怖に慄き涙混じりの声を上げた。 中山弱ェ。 なんかムカつくから目蓋の上でもグリグリしてやろうと更に近付ければ、級長に手を掴まれ首を横に振られる。 『羽崎君が犯罪者になってしまっては、紫藤君が悲しみますよ』か? 勝手に想像して手を引けば、級長は微笑して小さく頷いた。 「中山くん。参考にするなら、僕の持っている本を何冊かお貸ししましょう!」 ────アレ、か。 確かにアレは、タメになるかもしれねェけど…… 「高原君タイプの受けの子の本をピックアップしてきますね!」 鼻息荒い級長を見ると、やっぱりな、と思わざるを得なくなる。 「楽しみにしていてくださいね!」 アレの読者(『お仲間』っつったか?)を増やしたいだけなんじゃねェのか、級長……?

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