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第386話 格好良いより可愛いで

「学校でヤんなら、ベッドなんか保健室ぐらいしかねェだろ」 「うん、……?」 「立って壁に手ェ突くとか、椅子や机に座って跨らすとか」 「学校でしたいの?」 「学校でってよりは、制服でな。どうせなら出来る体位でしたいだろ?」 それって……、斗織も俺とおんなじで、この制服を着てる俺を惜しんでくれてるってことなのかな? 斗織の制服姿を俺の中に刻み付けてくれようとしてる…って、そういうこと? 「2人揃ってこの制服着てられんのなんか、もう今日入れても5日しかねェだろ?」 「制服の俺、かわいい?」 見上げて訊くと、斗織はフッと小さく噴き出した。 「格好良いじゃなくて、可愛いでいいのか?」 「斗織だけには、可愛くて色っぽくて堪んないって思って欲しい男心なのです」 「それ男心かよ」 「きゃぅっ」 笑いながらピンポイントで俺の乳首を摘む斗織。シャツの上からなのに。 流石、恋人の身体を熟知されてるようで。……ヘンタイ高校生。 「制服、汗臭くても文句言うなよ」 唇にちゅってひとつ。 「え…?斗織の汗は臭くないよ?」 「…そりゃよかった」 また笑って、俺の首筋をクンと嗅ぐ。 「俺は臭くない?」 「スゲー…ムラムラする」 「……そう…」 それは…よかった……って言うかなんて言うか…… やっぱりちょっとヘンタイ臭い。 けど、それでも格好良いんだから、斗織ってズルいと思う。 指で弄ぶのとは逆の飾りを、布の上から舌で突かれる。 「あっ…、ン…」 汚れちゃう…けど、シャツは替えがあるから大丈夫。 問題は、冬服は1枚限りのスラックスとブレザーで。 肩に掴まる手をずらしてスラックスを床に落とすと、斗織に「勝手に脱ぐな」って怒られた。 「だって…汚れちゃう…」 「汚してェんだけど」 「だめ。替え、ないもん」 「…遼の“だめ”って、…ソレいいな」 「いいなって…」 それどういうこと? ダメって言ってるのに、まったく聞く気ないってことじゃないよね!? 「……下は見逃してやるか」 仕方なさそうにひとりごちた斗織は、ブレザーを脱ぐことまで許すつもりはないらしい。

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