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第402話 いたずら小僧

「んでも、おっぱいはあるかもしんねーから さわってみる~」 「なんでっ?!」 唐突に振り返った侑士くんから守るように両腕で胸を隠す。 と、ヒョイとその小さな体が浮き上がった。 「侑士…テメ…」 「大和」 侑士くんを抱き上げて俺から引き離したのは芽衣さんで、震える拳を握りしめたお兄ちゃんを制したのはマナちゃん先生。 楽しい席で怒られるのは流石に可哀想だと 止めてくれたんだろう。 皆が笑顔で居るのに、ごちんってされて泣いちゃうのは悲しい。 「侑士、勝手にリョーくんに触ったら、斗織兄ちゃんに怒られるぞ~」 「えー!」 「そんなに気になるなら、僕のおっぱい触ってみる?」 「ヤダッ!オジサンのおっぱい さわんないっ!」 「なんだとぉっ!?」 「わあっ、マナちゃん おこったぁ」 ワァワァ言いながら、侑士くんは斗織の居る方へ走ってく。 「こらぁっ!」 手を上げて怒ったふりをして侑士くんを見送ると、マナちゃん先生は小さく乾いた笑いを零した。 「……ははは…、オジサンだって……」 「悪かったな、遼、マナ。侑士は後で二度とやる気が起きねェように叱っとくから」 “後で”の前に“今”、斗織が侑士くんにゴチンってしてるのが見えた。 ちょっと可哀想だけど、斗織以外に下も上も触られるのは……相手が子供だとしても嫌だったりするから…。 半泣きの侑士くんを慰める一也さんに感謝しながら、怒ってくれた斗織に愛しさを感じてた。

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