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第407話 ずっと……
お風呂を上がって、帰り際、一也お兄さんの部屋にひと声かけてから斗織の部屋へ戻った。
一也お兄さんの部屋はこの部屋の隣の隣。
隣の部屋は今は空き部屋だけど、前は大和お兄ちゃんの部屋だったらしい。
「斗織~」
布団を一式敷いてから、斗織の胸にぎゅうって抱き着く。
「さて、一也お兄さんとマナちゃん先生はお風呂に行っててお部屋に居ません。俺たちはどうしましょう?」
忘れてませんよ。
俺が訊ねた「部屋に帰ったらシてもいい?」に対する「2つ隣に一也兄さんとマナちゃんが居なけりゃな」って返しを。
「寝るか」
「む…、まだ早いです」
「母上や父上が来るかもしんねェだろ。声漏れ聞こえたら気まずいし」
「う……うぅ~~。…あっ!じゃあ、俺の口を斗織の太いので塞いじゃうってのはどうだろう?声も漏れないし、斗織も気持ちいいし、俺も嬉しい、で一石三鳥!」
「そんなんで満足いくのかよ?」
「だって~!こっち来る前、斗織だけ俺のち○ちん咥えたもん。それってズルい、でしょ?」
俺拗ねてます、を全面に押し出して首を傾げると、斗織は額に手を当て思案するように眉根を寄せ……
「……わかったよ」
勉強机の椅子に脚を広げて座ると、くるりとこちらを向いて止まった。
「舐めるだけで満足しろよ」
「はぁい」
浴衣の生地の上からさわさわすれば、渋ってたくせに本体の方はちゃんと素直で……
「んー…ちゅっ」
ムクリと反応を見せてくれるから、嬉しくなって唇を寄せる。
斗織もね、別にシたくない訳じゃないと思うんだ。
だって俺、もうちょっとで居なくなっちゃうもん。
学校帰りに家に寄って思う存分イチャイチャだとか、むしろ校内でイチャイチャだとか、もう一切出来なくなっちゃうんだよ!
引っ越したら、……まあ俺たち受験生だしさ、今までだってそうだったし、次に越してくるまではこっちに戻って来ないと思う。
次に逢えるのは一年後。
もしかしたら斗織は逢いたいって、逢いに行くって言ってくれるかも知れないけど……
俺は多分、時間が勿体無いから受験勉強して、って言っちゃう。
うん………ほんとはね、ただの強がり。
逢っちゃったらもう、離れたくなくなる。
淋しくって挫けちゃう。きっと。
だから、次に一緒にいられるようになるまで、俺たちは逢いに行ったり来たりしちゃあダメなんだ。
それに、これ以降何回出来るかなんて、正確なことは分からないでしょう?
毎日イチャつけるかも知れないけど、もうそんな機会訪れないかも知れない。
今日が最後になるかも知れないって、そんなことを思いながら斗織の浴衣を掻き分けて、パンツをずらして出てきたソレに、俺は堪らなく頬擦りしたんだ。
───ずっと……俺だけの貴方でいてね………
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