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第408話 はむはむ
先っぽだけを露出させて、膨れてちょっと硬くなってるモノをはむはむする。
全然色っぽい刺激なんて無いだろうし、俺自身も多分、艶っぽさなんて欠片もない、餌を口にする草食動物みたいに見えてるんだろうな…って思うんだけど。
そんな俺のはむはむにも、しょっぱい先走りを滲ませてくれる斗織の反応が嬉しい。
そんな風に応えて貰っちゃったら、アゴ痛くなっても息苦しくってもいくらでも咥えてられるって思っちゃう。
だって、先っぽだけでこんなに感じてくれるんだよ!
ああ…見下ろす顔が色っぽい。
思わずゾクゾクしてしまいます……
「……遼」
「ふぁぃ」
「ちょっと離せ」
「ふぇ…?」
言われたことが咄嗟に理解出来なくて、咥えたまんまフリーズ………
その隙に斗織は俺の肩をグイって押して、椅子から立ち上がった。
「布団、寝る時狭いけど、一枚でいいな?」
「えっ……もちろんいいけど…」
もちろんどころか、逆に“別の布団で寝ろ”なんて言われたら怒っちゃうくらい、一緒の布団は大歓迎だ。
狭いのだって、それを理由にもっとくっつけちゃうんだから寧ろありがとう、だよね。
「じゃあ、敷いといてくれ。ちょっと取ってくる」
「えっ?」
押入れを開けて、敷布団と掛け布団、毛布、枕を一揃え下ろすと、斗織はひとり廊下に出……
スタスタスタ……
と、行ってしまった…………
───はっ!? なんでだ!?
えっ?俺、今はむはむしてたよね?!
斗織、気持ちよさそうだったよね!?
あのまんまお口にくれる流れだったよね!?
あの男、なにを取りに行った~~~っ!!?
「なんだよも~~っ!!!」
出されたまんまの布団にダイブしてゴロゴロ転がる。
これが暴れずにいられますか!
まだ先っぽしか貰ってないのに~!
うぅ………、布団……敷くけどさあ!!
言われたことはちゃんとやるよ!
俺、優等生 だから!!
ほっぺた膨らまして布団を敷いてる途中、斗織が足早に戻ってきた。
「掛け布団は後でいい」
毛布と掛け布団をポイってされた。
「ん?んん??」
敷布団の上に手早く持ってきたバスタオルを敷く斗織。
「遼」
呼ばれて、布団の上にドカリと座る斗織の元へ近寄れば、
腕を引かれ、唇を寄せられた。
目蓋を下ろすと、ちゅ、ちゅっ、て可愛いキスが何度も降ってくる。
かと思えば、唇をペロリって。
「ふふっ、くすぐったぁい」
開いた隙間からすかさず侵入ってくる舌を受け入れて、俺からもレロッて舌を絡める。
「ン……んぅ、んッ、んん……ぁっ…」
離れてく唇。瞼を上げて舌で追い掛ければ……
「遼、ヨダレ」
フッと笑って口元をペロッとやられた。
「ヨダレじゃないです…」
「じゃあ、なんだよ?」
「…唾液?…って、そんなのはどうでもいいんです。それより、バスタオル?」
ふわふわ真っ白のバスタオル。
俺たちの中で、バスタオルを布団に敷くって言ったらさ、布団を汚さないように使うってことで…。
それって、汚すようなことをするって意味で……。
でも、声が漏れたら困るから、此処では出来ない筈だろ?
じゃあ、なんでバスタオル敷いたの?
俺、口にくれるって言うなら、一滴も零さずに飲み干す所存なんですけど!!
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