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第416話 思っていたよりも

【斗織Side】 文句言ってたくせにやらしく舐めて擦ってやれば躰に流されるように素直になって…… 最後には自ら俺の顔に跨って、俺のちん○を咥えて腰を振った。 出るっつってんのに放さねェから口ン中に解き放てば、嬉しそうにゴクンと飲み干し、ケフケフと少しだけ噎せた。 「遼、平気か?」 「うん。…えへへ、俺の中に斗織のセーシ、貰っちゃった」 「……………」 「ずっと俺の中に留まってくれるといいのになぁ……。ふふっ、昨日もシたのにいっぱい出たね」 っ、コイ…ツは……!! 指先でツンと突付かれてまた、急激に股間に熱が集まってく。 「とぉる…? また、シたくなっちゃった?」 ち○こにうっとり口付けて、上目遣いで俺を見る遼はまるで小悪魔──いや、悪魔だ! 「……そろそろメシの時間だろ。用意しねェと」 「あっ、ホントだ!着替えなきゃ」 とか言いつつ、なんでお前は愛しそうに目を細めてチュッチュしてやがんだよ。あっちゅー間に血管ビキビキだっての! 「それじゃあ斗織、お名残り惜しいですが……」 先端を頭に例えてんのか、イイコイイコと言わんばかりに掌で撫でて、遼は俺の股間を浴衣の裾でそっと隠した。 つかソコが俺の本体みてェな扱いヤメロ。 着替えの服を取ろうと部屋の隅に視線を移した遼が、小さく「あっ」と声を上げた。 「ふわわっ」 やっと気付いたか。 どんな反応見せんのか想像して、口元がうっすら弛む。 少なくとも、悪い感触じゃない筈だ。 「とおるくんがっ…!」 ダダダッと膝で走って、着替えの傍に置いた黒うさぎのぬいぐるみ、遼命名【とおる】を抱いて、また駆け足で戻ってくる。 こんな動きの早い遼は初めて見たな。 「斗織がしてくれたの!? とおるくんが着物着てるよ!」 「ああ。俺が中学ン頃着てた長着解いて、母上に縫ってもらった」 「すごい!かわいい!すごい嬉しいっ!斗織~っ、好きーっ!!」 片手でとおる抱っこして、飛びついてきたかと思えば、とおるの居ない方の手で俺に抱き着いて。 「両手に斗織!」と喜ぶ姿は可愛いが、その勢いに流石に支えきれなくて背中から転がったぞ俺が。 「嬉しいか……、よかったな」 「うんっ!……でも、斗織の匂い消えてるね。お香の匂いしかしない」 「嗅ぐな。多分、一旦洗って香で焚き染めてから縫ってくれたんだろ」 「んー……じゃあ」 何か思い付いたようで、目を輝かせると、とおるを俺の首に押し付ける。 耳の後ろにスリスリスリ…… 「って、何やってんだお前」 「ん、あのね、加齢臭ってここから出るらしいから」 「!! 俺はまだ加齢臭なんかしねーだろ!」 「しないけどー。ってことは、人の匂いはここからいっぱい出るって事なんじゃないかな~って。とおるくんに斗織の匂いがいっぱい付きますように」 「やんな!……たく、なんだよお前は……」 とおるを取り上げて、布団の上に寝転ばす。 何処が可愛いんだか、目付きの悪ィ黒ウサギ。 「ねぇ、とおるぅ」 甘えるような耳朶へのキスに、勃ち上がりっぱなしのちん○がズクリと熱を上げる。 遼を先に居間に行かせて、処理してから部屋出ねェと駄目だな、こりゃあ。 「斗織が一週間着続けた浴衣、貸して欲しいなぁ」 「……………」 ……………は? 「1ヶ月に1回ごとでいいから、引越し先に送ってくれない?洗って送り返すから」 「変態か!」 ベシッ 「いたっ!」 甘え方はまるでドラマの社長の愛人だが、内容はただの変態だった。 もし強請られたのがブランドバッグなら間違いなく買ってやってたが、ただの変態なら話は別だ。 洗った浴衣なら何枚だって貸してやるけど、一週間着た汗臭ェのは駄目だろう。 そもそも俺は冬だって一週間も同じ浴衣を着続けねェぞ。 ……まさかコイツ、こないだの夜、サイズ合わないからって穿かなかったパンツも俺にバレなきゃ持って帰ろうとしてた、なんてこと無ェだろうな…… 「……さみしいよぅ。斗織の匂いに包まれてたいだけなのに~っ」 ………それじゃ仕方ねェな。パンツやるか。 ───じゃなくて! 俺の腕に掴まって拗ねてる遼。 放っときゃそのうち本格的に泣き出しそうだ。 俺からお前を1年も取り上げといて、……良く言うよ。 淋しいってそんなん、テメェが越さないで此処に残りゃあいいだけの話だろうが。 何度もあった遣り取りを、最後にもう一度繰り返す意味は無い。 言い合いして喧嘩になんのも本意じゃねェしな。 「淋しいのがテメェだけだと思うなよ」 意図せず震えた掠れ声に、遼は顔を上げ、俺の顔を視界に映すと、目をまん丸に見開いた。 「テメェにゃとおるが居んだろーが。俺の手は……腕ン中は、お前が居なけりゃなんも無ェ。空気だけだ」 「とお…るぅ……っ」 「だから、我儘言ってねェで、さっさと行ってさっさと戻ってこい。浮気すんじゃねーぞ」 「しないよぉっ」 情けねェ顔で情けねェ声を上げた遼は、生意気にも俺の目尻を流れるものに唇をつけてさらう。 平気なフリして送り出すつもりが、みっともねェ。 泣き虫遼も、今は泣いてなかったってのに。 一丁前に俺の頭を撫でて慰めてくる遼の身体を抱き締める。ついでに浴衣に手を突っ込んで柔らかくて弾力のある尻を揉んでやる。ここも暫く揉み納めだ。 「む……、斗織さん…?」 「遼、脱いだらコレ、貸してやろうか?」 「えっ…、浴衣貸してくれるの!?」 「ああ。返すのは1年後でいいから」 「っ!!~~ありがとうっ!おしりどうぞ!」 浴衣を自らの手で捲って、白い尻を差し出してくる遼。 俺の恋人は、思っていたより変態らしい。 ついでに俺は、自分で思ってたよりずっと、恋人に甘かったらしい。

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