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第7話 謎のスポーツマン
今日は、5時間目で授業が終わるから、早く帰って試験勉強しよ。
HRが終わり、担任の先生が教室を出るのを見送りながら、鞄を持って立ち上がった。
「柴藤、帰る?じゃ、駅まで一緒に行こうぜ」
逃がさない、とでも言いたげな勢いで、中山に回り込まれた。
う~ん、これは……。RPGやってると『しかしまわりこまれてしまった』って出て、魔物から逃げられないパターンのやつだ。
「んーとぉ……俺と一緒に居てもつまんないと思うんだけど?」
なんで俺なのかな?
首を傾げてやんわり断るけど、
「俺は柴藤がいいんだよ」
あんまり分かってもらえないみたい。
俺のこと、買ってもらえるのは有り難いんだけど……言い方は悪いけど、放っといて欲しいのに声掛けられるのって、有難迷惑って言うか………う~ん、困った。
中山って、所謂爽やか系男子。
背は多分175cmくらい、サラサラの髪にマリンの香り。本人まだまだ成長期って言ってたから、これからまだ伸びるんだろう。
特定の女の子と一緒にいるとこ見ないけど、男友達少なくないし、サッカー部だし。
あ、マネージャーって言ってた2人の女子とは仲良さそうだった。
でも、それ以外の女の子にもよく話しかけられてる。キョドることなく、テンションが変わることもなく、普通に会話してる。ってコトは、女子からモテ慣れてるんだろ?
俺と一緒に居なくても、スポーツ、女の子、って充実した理想の高校生活を送れてて充分楽しそう…って言うか、スポーツマン楽しませる技能なんて俺、持ってないもん。
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