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第25話 フリ

あ…やっぱり…… 弾んでた気持ちが、また急に沈み込む。 友達、とは言ってくれてるけど、リューガくん、やっぱり俺のこと……… 認めてくれてるわけじゃないんだなぁ……。 「ごめんね、りぅがくん。今ので最後だった」 そそくさとお弁当箱を仕舞いこむ。 ほんとはもう一個残ってるけど、端っこのとこのだし、友達の男の恋人が作ったものなんて、本当は食べたくなんてないだろうから。 「遼…?」 「ん?」 見つめられて、首を傾げてみせる。 まだ半分ぐらい残ってるの、見えちゃってたかな。 「んーっ、もうお腹いっぱ~い」 芝生に転がって、もう食べられないフリをする。 ……フリ、のつもりなんだけど、でも……本当に胸がつっかえて、食べられそうにないなぁ。 「遼、寝転ぶならこっち来い。頭が芝で汚れる」 両肩を引っ張って、頭をあぐらの膝に乗せられた。 ……いいの、かな…? これって、膝枕? じっと見上げると、パンの袋が視線の先を遮る。 「斗織ー、パンカス落ちてきそうで怖い~」 「落ちたら食っていいぞ」 「えーっ!?」 フザケてみたけど、でも……やっぱりリューガくんの反応が怖くて、そっと盗み見る。 すぐに目が合って、慌てて身体を回転させた。 どんな表情してただろう? 一瞬過ぎて、わからなかった。 うーーーっ。 ギューっと瞑っていた目を開いて、斗織の腰のベルトを掴む。 やっぱりここは、起き上がらないと!! そう思った。ハズなのに……… 目の前にふと、膨らみが見えた。 こっ、これは───!!

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