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第34話 スタートライン

再び本を恐る恐る開く。 普段、マンガはあんまり読まない。 エッチなマンガなら尚の事。 他の人たちは、エッチな本や動画で抜いたりもするらしいけど、俺は自分でしても気持ち良くなんないから、最初からそういう物は見ないようにしていた。 中途半端に勃ち上げちゃって、最後までイケないとか辛いから。 だからこう言うのには免疫無くて……… 「はぅっ……うぅ……」 「紫藤君」 「わっ、わかってます!」 黒髪を斗織に、でしょ!出来るんならとっくにしてるよぉっ! まだその段階まで上がれてないんだってば! 俺、まだBLのスタートラインにも立ってないんだよぉっ!! とにかく、落ち着いて話が頭に入るようにしないと……。 絵じゃなくて、セリフ中心に読んで…… ん?可愛い子の名前、遼って言うんだ……。 いやいや、これ狙った?絶対狙ったよね、級長!? 遼くんの乳首に黒髪──斗織に変換っ──が、舌を這わせてる。 『男のくせに…なんだよ。この薄桃色のエロい乳首は』 遼くん、薄桃色なんだね、乳首! こういう可愛い男の子はピュアだから、乳首の色も可愛いんだ。なるほどなるほど。 ……うん、着目すべき箇所はそこじゃない事ぐらい、俺だってわかってるよ。 でも!現実逃避でもしなきゃ、読み進められないじゃないかぁっ。 なにこれ、ほんとになにこれ、この、級長に監視されながらエロ本読んでる現状!? 「紫藤君、BLはエロ本ではなく、ファンタジーであり芸術です」 なにこの人!?人の心が読めるの!? 視線で促されてページをめくる。 舌で、唇でと愛撫された遼くんの乳首が、プクッと膨らみを帯びた。 舌先を尖らせてツン、と押して離すと、唾液の糸が乳首から舌へと伝う。 『遼はここも敏感なんだな。ヤラシイ勃起乳首』 『はぅ…んっ、いわないでぇっ』 『乳首だけでこんなに興奮して』 指先で捏ねるように乳首を挟んで、反対の手で遼くんの中心に触れる。 『触ってもないのに、もう限界じゃねーの?ココ』 『いゃっ、やあぁんっ……そんなにされたらっイっちゃ…あぁっ───!!』 イっちゃ…た……。 ……ってか、えっ!?なに?乳首も勃起するの!? 勃起の概念ってなに!?

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