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第79話 ヨメの実家2

【斗織Side】 着付けを済ませて部屋へ戻った。 「遼、シャワーサンキューな」 「あ、おかえり。ドライヤー……」 振り返った遼の顔が、頬から徐々に赤く染まっていく。 「ドライヤーもありがとな。出してあったからすぐ分かった」 髪は洗ってないから然程濡れていないが、湿った毛先に有り難く使わせてもらった。 「あ…、うん……」 前髪を掻き上げながら笑いかけると、遼は眉尻を下げて潤んだ瞳で熱い視線を向けてくる。 こいつホント、俺の和装好きなんだな。 茶道部の活動を見に来てた遼は、今と同じに頬を赤く染め目を潤ませて、しなだれかかってくるどころか、事もあろうか股間を撫で回してきた。 その後ビビッて逃げてったが、今なら抱き締めようがキスしようが逃げることはねェだろう。 ……あの日も俺は、ギンギンにおっ勃てたまま家に帰ったんだった。 電車空いてんのに座れねェし、押さえつけられた股間は痛ェし、マジで最悪だった。 コート、本当にありがとう。 裁断されて縫われただけの布きれにあんなに有難みを感じる日が来るとは、露ほども思っていなかった。 「遼、夕飯なに?」 うっとりと俺を見つめていた遼に声を掛けると、大きく瞬きをしてからもう一つパチン、漸く目の前に意識を戻す。 「あっ、えと……ビーフストロガノフ」 「そうか。楽しみにしてんな」 「はい。美味しく出来るよう、がんばります」 敬礼をすると、遼は首を2、3回振って鍋へと向かい直した。 つか、なんだよその、キュピって音しそうな敬礼は。 ダイニングチェアに腰掛けて、料理をする遼の後ろ姿を見つめる。 なんでアイツ、白いフリル付きのエプロンしてんだ……… 思わず目が座る。 それより何より、なんで真冬にショートパンツなんだよ。 所謂ふわモコっつー、女が好きそうな部屋着の上下。 俺の感覚が変なのか?男のクセにって思うのは。 フード付きのパーカーとショートパンツは、薄い黄色に薄ピンクの細めの横線が入った模様。 しかも、なんだあれ?うさぎみてーな長い耳と、コロンと丸い尻尾?そんなんが上下に付いてやがる。 黄色の範囲が広いとは言え、コートと言い、アイツは一体……女装趣味でもあんのか? 極めつけは、太股まで伸びる服と同じような生地の靴下。 これは黄一色で、ピンクが入ってないだけマ…シ………いいのか?本当に? テレビや雑誌で見かける似た服装の女たちより似合って可愛く見えるのは、惚れた欲目の所為か。 「なあ、遼?」 「なぁに?」 お玉片手に笑顔で振り返る。 …………取り敢えず、ヨメは決定だ。 「じゃなくてさ、お前それ、寒くねェの?」 「え?服?これあったかいよ」 「へえ……」 実際どんなもんかと興味を持って、椅子から立ち上がる。 首を傾げて俺を見上げるあどけない表情に、ついムラっときたのはきっと、俺の所為じゃない。 正面から抱き寄せてうなじに唇を押し当てると、確かに身体は温まってるようだった。 「ぁっ…ふぅっ…ん……」 それだけで感じたようで、遼が甘い声をあげる。 「どうした?冷えてないか確認しただけだろ?」 ククッと笑いを漏らすと、それにも反応して身体がプルプルと震えた。 小動物か。 「あっ…とぉる、こげちゃう」 そうか、鍋の火、点いたままだったな。 遼の身体を回転させて、今度は後ろから軽く抱き締めた。 「ほら、これで混ぜられんだろ」 服の裾から手を入れて腹をチロチロと擽るように撫で上げると、遼は更に身を捩らせる。 「はぁん…っ、だ、めぇっ」 逆の手でファスナーを引き下ろして指先で突起を転がしながら、脇腹を擽る手も止めない。 滑らかな肌の感触。 手に吸い付いてきて気持ちいい。 ずっと、触っていたい。 そろそろ膨れてきた下半身、ショートパンツのゴムの腰から手を差し入れて、下着の上からそっと撫で上げた。 「んぁっ…!」 一際高い声を出して、身体がビクッと仰け反った。 掌で包み込むように幾度も撫でて、力が抜けた身体を脚の間に膝を挿し込んで支える。 すっかり勃ち上がったソコを直接、遼の躰が喜ぶやり方で───人差し指と中指の根本で挟み込んで激しく扱いた。 先からグチグチと溢れ出る液体が俺の手を濡らしていく。 摘んだり転がしたりしている間に乳首も朱く膨らんで、肩越しに覗きこめばそのエロさに俺のモノも反応せざるを得ない。 「やらぁっ……らめっ、こげちゃうよぉ…」 遼が涙目で、イヤイヤと首を振った。 さすがにやり過ぎたか。 それでもお玉を手放さない心意気、男として尊敬する。 そろそろ呂律が回らなくなってきた遼の服から手を出すと、ファスナーを上げて裾も綺麗に直してやった。

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