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第88話 可愛過ぎ
斗織は俺をベッドに仰向けに寝かせると、徐ろに上にのしかかって来た。
絡め取られた指がベッドに押し付けられて、触れたところからゾクゾクって不思議な感覚が湧き上がる。
これって所謂押し倒されてる状態…?
……どうしよう。凄く、どきどきする。
心臓痛くて、胸が震える。
怖くてじゃなくて、……斗織が、近くて。
これから俺、斗織のものになっちゃうんだとか、いっぱい恥ずかしいトコ見られちゃうんだ、とか。
斗織が、凄く凄くオトコの目をして俺のこと、見てくる…から、意識しちゃって、躰が熱くなる。
斗織の躰がぴったり重なった。
瞼を下ろすと、ちゅって軽く唇を吸われる。
「んっ…ぁ…」
鼻から声が抜けてく。
触れてるだけで身体が震えちゃうぐらいきもちいいのに、何処が気持ちいいんだよ、なんて言いながら斗織は胸とお尻を同時に攻め立ててくる。
ベッドに押さえつけられてた手が自由になって、それがなんだか逆に落ち着かない。
心許無い手で斗織の首に掴まって、ねだるように見つめ上げた。
「ぜんぶ…とぉるに触ってるとこぜんぶ、きもちいい…から、もっとぉ」
もっとキスが欲しくて顔を近付けると、途端に荒いくちづけが落とされた。
「んっ…んん~…、っふぁ…あぁん」
「はっ、遼、お前可愛すぎ」
斗織が笑いながら頬にキスをする。
今、可愛過ぎって言った?それとも、感じ過ぎ…?
俺、変じゃない?
斗織に触れてるだけで気持ちいいなんて、おかしくない?
斗織の手がパジャマの胸元を弄って、
「ん…?」
手を止めた。
やっぱり、俺じゃイヤなのかな?
男の俺とじゃ、最後までシたくない?
不安になって見つめると、目が合う。
「遼、パジャマ男モン?」
「え…、当たり前でしょ?」
何を言わんとしているのか分からなくて瞬きと共に答えると、
「じゃあ、後ろからな」
上から下りた斗織に、身体を回転させられた。
「お前の服、男モンか女モンか分かんねェ」
「男物だよっ」
背後から抱き締められて、首筋にちゅーって吸い付かれる。
「ゃ…ぁあん…それ、きもちぃ…」
「ん、遼は何処も彼処も性感帯だもんな」
ぽち、ぽちってボタンが一つ一つ外されてく。
反対の指で胸の突起を摘んだり転がしたり、その刺激はダイレクトに下半身に響いてくるから、身体を捩って斗織の脚に擦り付ける。
「ハッ、もう勃ってんの?お前」
「とぉるだって…ぁんっ…あたって…んンぅ」
お尻にいっぱい擦り付けてきてるクセに、知らんぷりして。
「触ってやろうか?」
お尻から太ももを伝って、前に手が回ってくるから、
「やっ、やーっ、だめぇっ」
首を振って手を押さえる。
「だめなのっ、すぐイッちゃうからぁっ」
「ホントに、エロい躰だな」
フッと耳元で笑うと斗織は、ボタンの全部外れたパジャマのシャツを肩からずらした。
「中途半端に脱がした方がエロいな、お前は」
脱がし終えたからか俺の身体を回転させると、今度は正面から抱き締めてくれる。
寝起きなのに乱れてない浴衣の袷を開いて俺も、斗織の胸に指を這わした。
程よく付いた筋肉の硬さがきもちいい。
浴衣の寝間着が色っぽい。
「とぉる、すき…。もっと…さわって」
「言われなくても触ってやるよ。つーか、…もっと奥まで触らせろ」
下着ごとズボンがずらされて、直にお尻を撫でられる。
「ぁん…」
やっぱり斗織の手、きもちいい……
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