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第89話 インランなの?
「遼、自分で分かるか?こっちまで垂れてきてる」
クルクルって指が動くと、クチュクチュ濡れた音が響く。
まだ前は触られてないのに、斗織にされてるって思うだけで、こんなになっちゃって……ちょっと恥ずかしい…。
「せっかくローション買ったけど、お前には必要ないかもな」
「ん、ぁっ……買って、くれたの?」
指先が、プツリと入り込んでくる。
「ひゃぁあん…っ」
「ほら、簡単に入った」
「あ、あっ、んっ、んーーっ」
斗織の指が、俺の中に徐々に挿し込まれる。
なに…?この感覚……?
「とぉるー…へん…っあ、おれっ、へんっ」
指が根元まで挿入って、中で何か探すように動いてる。
「痛いか?」
優しい声で囁いて、耳をちゅって食べられる。
……そう。級長の話じゃ、初めての時は痛いとか、異物感があって気持ち悪いかもって聞いてたのに………
「ううん…きもちよくて…んっ、…も、溶けちゃぅ…」
斗織に触られてるとこ、自分でも触ったこと無いとこなのに、全然イヤじゃなくて。
初めてなのにこんなきもちいいなんて……
「おれ、インランなの…?」
ビクンビクン震える躰に、不安になって訊ねると、
「さあな」
耳元で低い笑い声が聞こえて、首筋をガブリと噛まれた。
「あぁんっ」
痛いのに、きもちいい。
どうしよう…?
もっと斗織と繋がりたいのに、俺の身体、多分おかしい。
このまま最後までしたら、きっと斗織、俺のこと変だって思って、……嫌われちゃうかもしれない。
もしかして、初めてじゃないかもなんて思われたら…?
俺、斗織しか知らないのに、おにいさん以外の痴漢にも遭ってて、もう奪われた後なんじゃって思われたら?
「ぅ、う~~、んっ…やぁん、ふぇ~~っひゃあんっ」
クニクニと中をきもちよくしてくれてた指が、突然抜き取られた。
入口に引っかかる感覚に、腰が跳ね上がる。
「遼」
斗織が両手で俺の顔を挟んで、名前を呼んだ。
「俺には、痛そうに見えねェんだけど…」
痛くなんかない。
きもちよくって、どうにかなっちゃいそうなくらい。
でもそれを言っていいのか分からなくて、動揺にただ、涙が溢れる。
「辛いなら、また今度にするか?」
二度としねェって選択肢はねーけど、と斗織は冗談交じりに笑ってみせる。
「……やだ」
斗織の胸に、ぎゅっとしがみつく。
「今したい」
鼻をすすってスン、と鳴らすと、斗織は困ったみたいに小さく息を吐いて、でも優しく頭を撫でてくれた。
「でも、俺ヘンだから」
頭にキスが落とされる。
「感じすぎちゃって、斗織に嫌われる」
「なんで嫌うんだよ」
斗織の身体が身動ぎして、それからシュッて音がした。
こっち見ろって言われたから顔を上げると、鼻にティッシュをあてられる。
「涙は舐めてやれるけど、さすがに鼻水は無理だぞ」
「涙も舐めなくていいよぉ」
なのに斗織はかみ終えた俺の鼻の頭を舌でペロッて舐めてくる。
「お前が感じすぎんのは、まあ元々の躰がエロいってのもあるんだろうけど、なにより相手が俺だからだろ?」
唇ではむっと咥えられたのは頬で、ガブッて甘噛みされたのは耳朶。
んっ…て声を漏らして躰を震わせた俺の姿に、満足そうに笑ってキスをくれる。
「俺がこんなんなってんのも遼に触れてるからで、ケツ穴に指突っ込めんのもお前相手だけだからな」
浴衣を捲り上げて下着を脱ぎ捨てる。
導かれて触れた斗織の中心は、熱くて、硬くて、ドクドク脈打ってた。
「あ……おれ、舐めたい」
「っ…ちょっと待て!話の途中だろーが」
肩を押さえて止められる。
「んーっ」
口に欲しいのとアピールすれば、
「っから、お前は快楽に弱すぎんだろ。つかいきなりちん○舐められんのかよ…」
前髪を掻き上げて苦笑する。
やっぱり俺、おかしいの?
「おれ、ヘン…?」
「変じゃねェだろ。少なくとも、舐めたくねェっつわれるよりよっぽど嬉しいぞ、俺は」
唇をペロッと舐められて舌を差し出すと、優しくちゅーっと吸ってくれた。
口に含んで、愛しげに舌を絡めて舐めてくれる。
あぁ…やっぱり斗織は、俺をきもちよくさせる電波を発してるんだ。
それだけじゃない。きっと斗織は唾液にもそう云う成分が入ってて、それに触れるだけで、なんにも考えられなくなっちゃって………
「遼、きもちいいだろ?」
離れてく唇から唾液の糸が引いて、斗織はそれを舌で舐めとった。
「うん…」
俺の口の端から垂れる唾液も舐めて、斗織は「そういう顔してる」と笑って頬を撫でてくれる。
「お前はさ、マメや級長と仲良いだろ?」
「うん……あンッ」
胸の突起に舌先が触れると、身体が大袈裟なくらいに跳ね上がった。
引っ掛けるように舌で転がして、プクッと膨らんだところをギュッて押し込まれる。
「やっ、やんっ、とーるぅ」
「アイツらに触られても、おんなじように感じるか?」
「そんなのっ」
反対側の乳首も摘まれて、さっきとは違う、悲しくなんかない涙が零れ落ちる。
ああ、そう言えば斗織に言われたっけ…。
コンタクトじゃなくて良かったな、って。
ほんとに俺、いっぱい泣いちゃってる。
きもちよすぎて流れちゃう涙なんて、はじめてだ………
「お前は俺相手だからスゲェ感じてんだよ。分かったか?」
乳首をピンッて弾かれて、躰に耐え難いほどの電撃が走った。
「あぁあんっ…!」
跳ね上がった身体を斗織がキツく抱き締めてくれる。
「っ…は、あ…っ…はあ、…っん…」
お腹の辺りにジワーッと、温かいものが広がった。
浴衣の生地に滲み込んで、ソレに気付いた斗織がフッと笑う。
「それに、目の前で痛ェって泣かれるより、気持ちいいってよがってる方がよっぽどいいだろーが。
だからお前は、余計なこと考えずにそこで素直に感じてろ」
話はまだ続いてたのか、でもなんの話をしていたのか曖昧で、息を整えながら頷いては見せるけど。
「分かったら俺の顔跨いでちん○舐めろ。俺はお前のここ舐めっから」
「んっ……は、い」
お尻の入口をふにふにと突かれて、言われた通りに斗織に跨った。
イッたばっかりで、脚がプルプル震える。
それに気付いたのか、斗織は俺の腰に手を掛け、楽になるよう高さを下げてくれた。
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