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第91話 天空の理性

【斗織Side】 んーっ、と突き出された顔には、俺の吐き出した白いヌルってるやつがベッタリ。 俺がティッシュを手にすれば、拭いてもらえるもんだと目を閉じる。 ……やめろ、変な気分になる。 いや、別にこのタイミングで、変な気も何もねェわけだが。 けどまあ、こんぐらいでおっ勃ててたら、後が続かねーし。 「…んっ……」 こっちはそう思って我慢してやってんのに、こいつは煽るように甘い声を漏らしてきやがる。 「遼、拭いてるだけだ」 「うん?…ん、拭いてくれてありがとう」 首を傾げられて、過剰に気にしてんのはこっちだけだと知る。 つか、無意識にエロいのやめろ。 ただでさえ可愛いってのに、そこに天然エロスプラスされたら、鋼の理性程度じゃ追っつかねェ。 天空の理性やメタキンの理性ってのは何処で手に入れりゃいーんだ。 「顔、綺麗になった?」 「ん、キレーキレー」 頬に口付けると、幸せそうな顔でへにゃんと笑う。 可愛い…… 両手を伸ばして、「ちゅー」とキスを強請ってくる。 可愛い…… ズクン、と中心が疼く。 荒々しく唇を重ねると、掴まる手に力が篭った。 「んっ…んぅ……ンん…」 柔らかい下唇を食い付くみたいに唇で挟んで、うっすらと開いた隙間に舌を捩じ込む。 耳を擽りながら口内を堪能してると、腹に熱く膨らんだモノが押し付けられた。 ソレを直に感じたくて帯を解こうとすれば、その手を止めるように慌てて握ってくる。 「どうした?脱いだら駄目なのか?」 腰を撫で下ろしながら訊ねると、合わせを両手で押さえて首を横に振った。 「あの、ね……」 紅潮している顔が、益々もって赤く染まる。 「着物の斗織、かっこいい、から…、着たまんまで…して欲しい、かも」 「っ~~~、……今日だけな」 可愛い奴に──好きな奴から格好良いっつわれんのって、こんな破壊力あるもんなのかよ……! 格好つけようと平静を装うけど、顔はやたら熱いし、いつの間にか浴衣を押し上げてるモンは布に染みを生み出してる。 キスして、言葉を交わして、精々太ももに押し当ててるぐらいで、だ。 遼の方はどうなってんだ?と手を滑らせると、触れた瞬間ソコだけじゃなく、身体全部がビクンと跳ね上がった。 少し擦るだけで、にちゅ…にちゅ…と濡れた音を響かせる。 「ふぅっん…やっ、とぉる…やぁっ」 「スッゲー感度…」 漏れて溢れるカウパーが、俺の手を濡らして滴っていく。 「あぁんっち、ぁ…くてぇ…やっ、そこじゃっ」 「ん?ここじゃねェなら、何処触って欲しいんだよ?」 尚も軽く扱き続けていると、ダメダメと首を振っていた遼が痺れを切らしたように、自分の両脚を抱えソコを見せ付けるように股を開いた。 「とぉる、…挿れてくれるって言ったぁ」 涙混じりの潤んだ瞳で、訴えるように見つめてくる。 ズクン─── 「おれじゃやだぁ…?」 ズクン─── 「さっき広げてくれたから、だいじょぶだからぁ」 「………遼…」 「とおるのち○ちん、欲しいよぉ」 「っ…まえは……煽りすぎだ!」 俺は男だから、 お前が初めてだから優しくしてっつーから、 格好良いっつって憧れの目で見てくっから、 余裕持ってゆっくり進んで、時間掛けて痛くないよう挿れてやろうって思ってたのに…… ただでさえエロいお前が煽りに来たら、 痛ェって泣いても、止めてやれねェからな!! 遼の先から溢れる蜜を指に絡めて、後孔の中を暴いていく。 1本、2本とすんなり受け入れたソコは、だが緩いわけではなくて内壁を刺激する指を放そうとはしない。 「あっ、…ふぁっ、やっ、あぁっ」 遼は口から溢れる嬌声が止まらないようで、必死にシーツを掴んで襲い来る快感に耐えていた。 指を3本に増やして広げるように中を圧していると、腹側の一部を擦った瞬間、 「ひゃあぁんっ」 遼の躰が思い切り跳ねた。 「っ…はっ…はぁ…、っとお、りゅぅ…ビリビリしたぁ…」 息を乱し涙を零しながら、舌っ足らずに申告してくる。 「…そうか」 ココが級長の言ってた前立腺か。 身を倒して開きっぱなしの唇にキスをしてから、指をすべて引き抜いた。 余りイカせ過ぎると挿れる前に気を失う可能性もある、と注意事項の一つにあった。 もう一度身を起こして、辺りを見渡す。 「遼、バスタオル借りていいか?」 「え?…あ、うん……」 キョトンとしてんな。 「前からと後ろから、どっちがいい?後ろからのが楽だっつーけど」 「えっ、…それ、おれに選ばせてくれるの…?」 「どうせ、前からっつーんだろうけどな」 首と腰に手を回して、遼の身体を膝に抱き上げる。 そのまま立ち上がると、慌てて首に手を回してしがみついてきた。 「とおる…?」 不安そうに見上げてくる。 …つか、だからやめろっつの! 抱き付きながらの上目遣いとか、もうソレ犯罪だろーが、このエロテロリスト!

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