ずちゅ、にちゅ、って聞きなれない音がする。 熱くてぶっといモノで無理やり押し拡げられてる筈なのに、俺のソコは嬉しそうにピッタリ斗織の先っぽを包み込んで。 まるで躰が俺の気持ち、尊重してくれてるみたい。 「んん…っ、ふぁ…はぁ……」 少しだけ進入したところで、斗織は動きを止めて俺の顔を窺った。 頬を撫でられて見つめ返す。 痛くないか、心配してくれてるんだろう。 痛みとか、異物感とか、そう言うマイナスなものは感じない。まだ感じてないだけなのかもしれないけど。 感じるのは異物としてじゃなくて、……そう、存在感。 俺のことを気遣いながら、俺の中を満たしてくれようとしてる、熱くて硬くて野性的な、優しいもの。 「んっ、あっ、…ふふっ」 身じろぎすると、中のモノがドクドクって反応する。 首に手を回して顔を近付けて、───顔が綻ぶ。 今笑うのは、変なんだろうな。 こんなに嬉しくて、しあわせで、だけど今は笑っちゃうタイミングじゃない。 満たされて泣いちゃうのが正解？ 余裕なく喘いじゃうのが普通？ 俺、ロマンチックからかけ離れてる。 だけど俺の腰に両手を添えると、斗織もフッと目を細めて「行くか？」と訊いた。 「はい」 頷いて、唇を寄せる。 「っん……」 「…っふ」 少し開いた唇に、舌を滑り込ませた。 俺だって男だもん。求められるだけじゃない。俺からも、求めてる。 「ふっ……は、ん、んぅっ」 舌を絡ませながら、必死に首に縋り付く。 すごい…重量感……っ。 お腹が───お腹の中が、押し上げられるみたい。 穴が無理矢理拡げられて、少し痛くて、苦しくて、 「はんっ、…はあ…ひぅんっ、んん～っ」 なのにきもちよくて、うれしい……。 いつの間にか離れてた口の端から垂れてた涎を斗織が舐めとってくれる。 「遼、…半分入った」 「あぁん～、もっ…おっきぃよぉ」 奥が何処まで続いてんのかはわかんないけど、もう奥まで届いてるもんだと思ってた。 だって俺の中、斗織のモノを包み込んでその形を作っちゃってる。 「辛いか？」 気遣わしげに訊かれて、首を横に振る。 「とぉるだけヨユーなの、やらぁ」 腰を支える手に、グッと力が籠った。 両脚を肩に抱えあげられて、斗織は膝立ちになる。 「誰が───余裕だって!?」 「ひぁっ、あぁぁっ！」 一気に最奥まで貫かれて、ぎゅーっと目を閉じた。 身体に電流が走った。 跳ね上がった先っぽから勢いよく飛び出したものが、お腹や顔にも落ちてくる。 「はっ、…はぁ、はあっ、っ……はぁー…」 挿入れられただけで、イッちゃった……。 肩を揺らして息を整える。 斗織は俺が落ち着くのを待ってくれてるのか。 やっぱり余裕じゃん…。 恨めしく思って見上げると、斗織は目があった途端大きく息を吐きだして、 俺の髪をクシャっと撫でて、 「はあぁぁーっ、くそーっ」 繋がったまま、俺の上に身を投げ出して、抱き付いてきた。 「挿入れただけでイッた。……くそ…」 悔しそうに言い放つから、俺はつい可笑しくなって、息を整えるのも忘れて、声を出して笑っていた。