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第95話 顔が見たくて

付けた痕を指先でなぞるとこそばゆい気持ちになって、クスクス笑いが零れてく。 一瞬前まで泣きそうだったのに、今はこんなに楽しい。嬉しくて、笑っちゃう。 斗織は「気が済んだか?」と頭を撫でてくれると、俺の身体をベッドに下ろした。 ただそれがうつ伏せだったものだから、ちょっとだけ困惑して斗織を見つめる。 「俺、下向き?」 「バックから突いた方が体、楽だろ」 「ホントは俺の顔見てたらすぐイッちゃうから、じゃなくて?」 クスリと笑いながら首を傾げると、さして的外れでもなかったようで、「うるせー」と一言、ムッとした顔を逸らされた。 「えへへ、かわいい、斗織」 嬉しくて笑ってるのにバカにされてると思ったのか、斗織は乱暴に腰を引き寄せると、俺を四つん這いにさせる。 いつの間にかまた滾ってる熱いモノが後孔に擦り付けられた。 また挿れてもらえる…… その期待に、入口は興奮したようにヒクヒクと収縮してる。 見なくっても自分でわかるってことは、見ながらソコに触れてる斗織にはもっと伝わっちゃってるってことで…… 恥ずかしい。けど、それにすらなんだか、感じちゃう。 「遼、挿れるぞ」 「ふふっ、今度は挿れた瞬間イッちゃわないでね」 「お前もな」 笑い声が聞こえたと思ったら、その瞬間、腰に添えられた手に力が篭った。 高く掲げられた腰、さっき限界まで拡げられた孔を更に押し拡げるように、熱く滾ったものがメリメリと捩じ込まれる。 「ふ、っん……っ」 どうしよ……なんか、痛い…。 痛くて、涙が溢れてくる。 さっきはあんなにきもちよかったのに……なんで…? 「遼…キッツい…」 「ぁ、っ、……はぁん、…ミシミシゆってゅぅ」 「お前、…なんで後ろからのがキツそうなんだよ」 「っかんな…っ、とぉるのかお…んっ…みえないの、やだぁっ」 「こっち、向くか?」 「むくぅ」 先だけ挿し込まれていたものが抜き取られて、痛みは引いたんだけど、それはそれで淋しくて…… 振り返りざまギュッと抱き着いた。 「ん」 舌を差し出すから、しゃぶりつくみたいに唇を寄せて。 そうすると斗織も応えて吸い付いてくれるから、俺からもいっぱい舌を絡める。 「は、んっ、ちゅぶ…ぁん、ふぁっ」 夢中でキスしてると、斗織の手がお尻をムギュムギュって揉んでくる。 時折指が入口を擦って、腰を揺すれば更に刺激が強くなる。 尖った乳首を指先が捏ねくり回して、名残惜しげに離された唇が首筋を下がり鎖骨をなぞる。 中の浅い部分を、挿し入れられた指にクリクリと押されて、腰が跳ね上がった。 「あっ、あっ、あんっ」 「…イイ声」 「やぁっ、…とぉりゅっ、まえ、もぉっ」 「前は、後でな」 うつ伏せに乗り上げるお腹に擦りつけながらねだると、斗織は身を起こして、指を抜いたソコに自身の熱をあてがった。 「スゲ…遼、ここまでグショグショ」 「あぁん…、らってぇ…」 「だって、…なんだよ?」 ジュブジュブ音を立ててるソコにローションを更に垂らしながら、斗織のモノが浅く出入りを繰り返す。 「あん、あぁんっ」 冷たいのと熱いのが同時に中を刺激して、きもちよすぎて蕩けちゃう。 「遼?…痛くなさそうだな」 パチン、コトンって音がして、ローションを置いた斗織の両手が、俺の腰を捉えた。

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