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第96話 一緒がいい

あ、…来る……… ズドンって、すっごいの…… 期待に身が震えて、先っぽからは早くと言わんばかりに蜜がトプトプと溢れ出した。 なのに、斗織は俺の顔を見下ろして、動きを止める。 焦らしてるの? それとも、俺の身体が男だってことに改めて気付いちゃって、萎えそうになってる? なんでこんなトコに突っ込もうとしてんだろうって、冷静になって考えちゃった…? 「……っ、や、らぁ…とぉりゅぅ…、おれのなか、とぉりゅが欲しくていっぱいヒクヒクしてりゅ、かりゃぁっ」 う~っ、舌が上手く回らないよぅ。 こんなんじゃ、斗織に伝わんないのに…! 「おく…まで、いっぱい…ちょうらぃ。いっぱい、ついて、ほしっ、ひぁあっ…!」 言葉が途中から、悲鳴に変えられた。 「舌、噛むなよっ」 眉根を寄せた斗織が、俺の上で余裕無い表情で幾度も腰を打ち付けてきた。 「やっ、あぁっ、ひぅっ、ん、ふぁっ」 でもほんとに余裕が無いのは俺の方で、目を開けてられなくてギュッと閉じて、両手で足首に縋り付く。 ピタンピタンと音を立ててぶつかっては、俺のモノは自分のお腹と斗織の浴衣とを汚してく。 その強烈な刺激と中を擦り上げる斗織の存在とに、早くも絶頂の波が近づくのを感じる。 「とぉっ、イッちゃ…っ、あんっ、もっ、イク…っ」 「いいぞ、イケよ」 中を突く角度が変わった。 硬く反り上がった熱がその一点を突くと、身体が勝手に激しく仰け反った。 「はぁあんっ…やっ、あっ、しょこっ、あっ、らめ、しゅごぃのっ」 斗織は覚えてた前立腺ばかりを狙って突いて、先が引っかかるたびに俺の先からは溢れる透明の液があちこちへ飛び散った。 「あっ、あっ、とぉっ、れちゃっ…!」 絶頂が訪れて、精が吐き出される─── そう思った瞬間、 「ぁっ、んっあぁーッ」 俺は、根元をギュッと強く握られて、射精する事も無く、 「やっぱりまだ、出すのはオアズケ、な」 斗織は一層腰を強く突き続ける。 「次イク時も、一緒が、いいだろ?」 「あっ、いっあぁんっ、ふぁっ、いっ、ひやぁっ」 一緒がいい、って、頷きたいのに上手く言葉が出ない。 さっきまでよりも中が敏感になってて、ずっとイッてるのが続いてるみたいで、勝手に首がイヤイヤするみたいに横に振られる。 出せないのは苦しい筈なのに、全然辛くなんかなかった。 だって、斗織と一緒にイクんだもん。 腰がビクンビクン震えて、幾度も絶頂を通り越してく。 「んっ、遼…出るッ」 最奥に殊更強く突き付けると、斗織は俺の上ではっと短く息を吐き果てた。 それと同時に戒められていた俺の熱も吐き出されて、一気に力が抜けていった。

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