22 / 66

第22話

 雪史の家まで来ると、門の手前で、的野はポケットに手を突っこんで寒そうに肩をすくめた。 「それじゃ。また、明日な」 「うん」  リフォームはまだ終わっていない。明日も仕事でここに来るようだった。  的野は来た道を引き返していった。  事務所によるんじゃないのかな、と思ったけれど雪史は事務所の場所は知らない。  男の友人を家に帰すのに、女の子みたいに送ったりはしないだろうから、きっと事務所はこの近くにでもあるんだろうと、考えながら後姿を見送った。

ともだちにシェアしよう!