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第5話

 何が違うんだ?  気分良く酒を飲ませ、花をもたせ、良い仕事を取り付け、良い関係を築く。 「意識が頭にあるか、下半身にあるかだろ」 「そこは心だろ、真心的な」 「おまえは心がねーじゃん」  猿崎は言葉に詰まった。昔ながらの悪友はさすがに鋭く、誤魔化しがきかない。 「つーか、おまえの悪評ひどすぎて女集まんねー」 「マジ?」 「こっちもいい迷惑、なんとかしろよ」 「散々俺の顔使ったのおまえだろ?」 「おまえだって散々旨い汁吸っただろが。そろそろ限界ってことだよ」 「……くそ、金は払いたくねー」 「ぶはは、たまには足使えよ、ナンパ。行く? 付き合うぜ」 「行くか」  仕事終わりに待ち合わせた学生時代からの友人、北川は、そこそこ見た目のいい営業マンで、二人揃うとナンパの成功率は格段に上がる。  その日は盛りのついた女子大生二人組と意気投合し、久しぶりに楽しい時間を過ごし、ベッドで連絡先を交換して、猿崎はすっかり何を悩んでいたか忘れた。

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