9 / 15
第9話
福田を見失ったまま、一週間が過ぎた。
もう、日本にはいないのか。それとも、全てが嘘なのか。
福田に会えないということに、現実味がない。
まるで夢でも見ていた心地で木野はスマホの履歴を手繰り、福田のナンバーを眺めた。
諦めるしかないのか。
幸福な夢の名残りのように、瞼の裏の福田はただ眩しい。
捨てられたって、木野の憧れは、記憶の中で光って見える。
ともだちにシェアしよう!
fujossyは18歳以上の方を対象とした、無料のBL作品投稿サイトです。
9 / 15
ともだちにシェアしよう!