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第9話

 福田を見失ったまま、一週間が過ぎた。  もう、日本にはいないのか。それとも、全てが嘘なのか。  福田に会えないということに、現実味がない。  まるで夢でも見ていた心地で木野はスマホの履歴を手繰り、福田のナンバーを眺めた。  諦めるしかないのか。  幸福な夢の名残りのように、瞼の裏の福田はただ眩しい。  捨てられたって、木野の憧れは、記憶の中で光って見える。

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