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第6話【二日目】失態
「…うっ!!」
衣服を手繰 り寄せ急いで立ち去ろうとすると、腰に違和感を覚えた。
「まだ辛いでしょう。大丈夫ならシャワーでも浴びてくる?」
「はい。お借りします。」
とにかく頭を冷やしたかった。冷たいシャワーを頭から浴びていると、内股を何かが伝うのを感じた。まさかと思い手で拭うと、少し血液の混じった白濁した液が付着した。
「…やってしまった?」
それが何なのかは想像したくなかった。まったく記憶がない。まさかまさか…。
すると脱衣場で何やら物音がする事に気付いた。振り返ると、扉越しに人影が見える。
ガチャッ
もしやと思った時には、風呂場の扉が開き小林が入ってきた。慌てて前を隠した。
「ふふっ、可愛いお尻が隠れてないわよ。ちゃんと掻き出せたかしら?」
「だっ、大丈夫です!!」
「本当に?」
迫り寄る小林に、必死の抵抗をみせたが、体格差にまったく歯が立たなかった。簡単に後方への進入を許してしまう。
「まだ、解 れてるみたいね。」
「…ああっ!…やっ、やめて下さ…ぅんっ!」
優しい手付きで中を掻き出される。ところどころを掠 める快感に、昨晩の記憶が甦った。確かにこの男と寝た事を身体が覚えている。じんわりと自身も反応を見せた。
「一応聞くけど、昨晩の事はどのくらい覚えているのかしら?」
「半分くらいは…」
「それなら、もう一回する?」
「しっ、しっ、しないです!!圭も待っているので、そろそろ実家に帰ります。」
残念がる小林に背中を流され、朝食までご馳走になると実家に帰った。
「お早いお帰りで。昨晩おじいちゃん、一人で帰ってきたわよ。いい年して、お隣さんに迷惑かけないで頂戴ね!!」
母親の嫌味に返す言葉も無かった。息子に顔を出すと、祖父のいる畑へ昨晩の謝罪をしに行った。
「じいちゃん、昨日はごめん!!」
祖父は大笑いだった。昨晩は、やたら強い酒ばかりを注文し、酔っ払って元嫁に悪態をつくと、ミチルを口説きまくっていたらしい。
その結果があれか。
しばらく自嘲しなければ。
それからは、休憩をちょくちょく挟みながら畑仕事に没頭した。午後の作業が片付くと、お盆恒例の墓参りに向かった。
先祖に手を合わせながら、あと二日間無事に乗り越えられます様にと願った。
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