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第4話

「先生の連れの眼鏡スーツ、まだ店内で飲み食いしているからさ、付いて来て」  身なりを整え言われるままに梶の後ろを付いて行くと、従業員出入り口と書かれたドアが見えた。 「タミセンさ、忘れ物ない?」 「鍵と財布しか持って来てねぇから……」  ポケットから取り出して見せる。 「OK。俺はまだバイトがあるから送ってやれないけど、一人で大丈夫?」 「別に怪我している訳じゃないからな。問題ねぇよ」  学校では何時も笑顔の梶が無表情に見ているだけで、責められている様な気になり居た堪れない。 「顔色悪いけど、本当に平気?」  苛立たし気に眉を顰められ、思わず俯いた。 「俺は平気だから、お前は仕事に戻れ」  それだけ言うとたいした礼も言わないまま、俺は逃げる様にその場を去った。                    ✜  家に帰ると、アルコール度数の高い酒を持ってリビングに戻った。  静寂は辛いとテレビを点け、グラスに酒を注ぐ。  酷いものを見せてしまった。  梶の責める様な顔を思い出し、堪らずに酒を一気に飲み干す。  汚物を見るような目で見られるかもしれない。  そんな事を考えては辛くなり、落ち込む気持ちを誤魔化すように酒を流し込み、現実から目を背けた。

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