4 / 18
・
「どれだけ出せる?」
「は?」
「ラブラブ休暇の期間はどれ位だ?」
「丸々一ヶ月は確実に」
「ほほう…?」
キラリ。
鳶色の瞳が輝いた。
丸々一ヶ月は確実の璃音との休暇。
今までそんな夢のような時間があったか?
いや、ない。
恋人同士になった時も、結婚式を挙げた後も、そんな美味しい休暇はなかった。
「休暇中は一切仕事はしないぞ」
「はい」
「あれを好きなだけ味わっても、口出しはさせない」
「それは勿論」
「休暇中の仕事はお前が一手に引き受けるんだろうな?」
「ま、善処いたします」
ニヤリと片頬で笑って見せたということは、弓削に異存がないと認めた証だ。
「ふ………。
ふ…ふふふふふふふ…。
ふははははははははははっ!!
丸々一ヶ月の休暇と聞けば、太陽が墜落しようが怖い物は無いッ!!
何千、いや、何万枚の書類だろうと恐るるに足りんわ!!
弓削っ、向こう一ヶ月分の書類を纏めて持ってこいっ!!」
「はっ!!」
パチリと指を鳴らすと、決済待ちの書類が次々と運び込まれる。
デスク周りに詰まれた書類が幾つも山を作った。
ともだちにシェアしよう!