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「……っ、龍嗣…っ!」
大粒の涙をボロボロと零し、怯んだ弓削の頭の上を飛び越し。
とす…っ。
龍嗣の広い胸に璃音は飛び込んだ。
「龍嗣…っ、龍嗣っ、会いたかったっ、会いたかったようっ!!」
ギュウギュウと抱きついたときには、いつもの柔らかな表情。
「璃音…?」
「会いたかった、会いたかった、いっぱいいっぱい会いたくて、龍嗣の傍に帰りたくて、頭の中おかしくなって、体もだんだん変になって、もう………っ、もう、死んじゃうんじゃないかって、怖くて………っ、怖くて仕方なかったよ………っ」
少しずつ落ち着いていく呼吸。
それに呼応するように、甘い香りが立ち上る。
「璃音、私もきみが傍にいなくて、どうにかなりそうだったよ…」
「ほんとう…?
龍嗣も、僕とおんなじ…?」
「ああ」
龍嗣の声を聞いて安心したのだろう。
ゆっくり体の力が抜けていく。
「……………龍…嗣……」
「………?」
腕の中から聞こえたのは、規則的な呼吸だった。
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