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愛しい伴侶の香りに包まれ、至上の喜びが璃音の心身に満たされていく 『大好き…。 一番大好きな龍嗣の香り…』 嬉しくて、厚い胸板に頬を擦り寄せる。 『好き…っ、大好きっ!! もう絶対離れないんだ…っ』 肌触りの良いシャツをキュウッと握り、トクントクンと響く鼓動を確かめる。 「おかえり、璃音。 済まなかったね…、拗ねてないで直接迎えに行けばよかった…」 逞しい腕が華奢な体を恭しく抱き上げた。 欲しくて欲しくて仕方なかった優しい口づけが額や瞼に落ちてくる。 『違うよ…。 僕が焦ってしまったから、余計に時間がかかっただけ…。 龍嗣は悪くない………、好き…大好き…あいしてる…』 龍嗣の香りに包まれ、ほぅと息をつく。 『好き………好き…』 離れていた間の寂しさを埋めるように香りを吸い込むと、意識が深い所へ沈んでいく…。 「離れていた間のことは、しっかり休んでからいっぱい話そう」 額にひとつ口づけを落とすと、龍嗣は弓削に目配せをした。 書類と案件の決済は全て終わっているし、問題はない。 「下に車を回しておきます。 今日はゆっくりお休みください」 「ああ」 途中、投げ飛ばされた警備員に声をかけ、怪我をしていないか確認するのも忘れない。 飛ばされた先が柔らかなクッション材やソファーだったようで、一人も怪我をしていなかった。 すっかり寝入った璃音を抱き上げてエレベーターに乗り込む龍嗣。 ドアが閉まるまでの一瞬、唇が自然に重なった。 「「きや~~~っ!」」 あまりに自然なラブラブっぷりや完璧なフォローっぷりに、秘書課の皆さんが萌え転がったことを追記しておこう。

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