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「んん…ぅ、っふ、う…」
「んん…」
ふわふわ…ふわ…。
『……ふあぁ……』
研究室で缶詰にされていた時は、頭の中がザワザワして胸が苦しくて、全身がキシキシ軋んでいた。
それが、今はもう霧散している。
大好きな人の香りと腕に包まれて受けるキスに、璃音はもうによによするしかない。
『はうう……。
龍嗣の香り…っ』
尻尾があったなら、ぶんぶん振りまくっちゃう位の嬉しさに満たされて、璃音は龍嗣がくれる口づけに応える。
『龍嗣……っ、龍嗣龍嗣龍嗣~っ!
好きっ、好き好き好きっ!大好きっ!もう、頭の中龍嗣でいっぱいだよぅ…っ!』
ぎゅうっと抱きつくと、角度を変えて深いキスをされた。
『龍嗣のキス…。はうぅん…っ』
身体の芯がジワジワと疼いている。
『もっと…、もっと欲しい……っ』
ねだるように服地を握ると、瞼やこめかみにも次々と降ってくる。
「ふふ…っ。寝ぼけてる君も可愛いね」
かりり。
「はうっ!」
耳殻に軽く当てられた歯に、全身が震えた。
「向こう一ヶ月、独り占めだからね。
まずは、ゆっくり寝ようか」
チュ…。
「はぁう……っ」
甘くてとろけるような口づけ。
璃音の中に渦巻く恋慕の情が一気に燃え上がる。
「龍嗣……龍嗣……いっぱい食べて……」
うっすら開けた視界の中に、蕩けそうな龍嗣の表情がある。
「もう少し寝ていていいんだよ?」
「やだ…。僕にいっぱいマーキングして…っ。
龍嗣の熱を僕にいっぱい埋めてくれなきゃやだ……っ。
欲しくて仕方ないもん……っ!」
お互いが融け合うくらいに深く繋がり合いたい。
熱を帯びる肌に触れられただけで、もう疼いているのに…。
「じっくり馴らしてから、だよ……?」
「ん……っ」
落とされた口づけは、これから与えられる快楽の予告だ。
フルンと揺れた璃音を組み敷き、龍嗣が覆い被さって……。
璃音は理性の箍をそうっと外した。
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