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進撃(いや喜劇…いやいや悲劇!?)の学会2
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あーあ。楽しかったのは、ほんのひとときだったよなぁ……
はじめて一緒に入ったお風呂で、俺なりにいちゃいちゃするように手を出すと、
「身体が洗えないだろ、ちょっと待ってろって」
なぁんて激しく照れながら怒っていたけど、タケシ先生の身体の隅々を知り尽くしている俺にかかれば、どうってことないひとことに早変わりするんだ。
と心の中で自負し、後ろからぎゅっと抱きついてみる。
すっげぇ近くにいるのに、勉強を一生懸命する姿を見て、ずーっと我慢していた毎日――白衣を着ていようがそうじゃなくても、タケシ先生は綺麗で格好良くて、俺には勿体ない人だなって思わされてしまって。
「っ……おいおい、耳元で鼻をすすりながら、腰をぐいぐい押しつけてくるな。泣くほどヤりたかった気持ちは、充分に分かっているから」
いきなり投げつけられた言葉に眉根を寄せながら、こっそりとため息をつく。
確かにヤりたい気持ちはあったけど、それよりも日頃のスキンシップが減ったせいで、体だけじゃなく心も遠くに離れちまうんじゃないかって、それはそれは心配だったのに。
「もう無理っ! こんな色っぽい恋人を目の前にして、何もするなっていう方がおかしいだろ」
濡れた髪から滴った水滴が、肌の上を音もなく滑っていくのを見ただけで、ワケもなく煽られた気分になる。滴のあとを追うように、愛撫したくてて堪らなくなるんだ。
「体くらい洗わせてくれって。あっ、ちょっ……んっ――」
文句を言い続ける口を早々に塞ぎ、必死になってタケシ先生をその気にさせてやった。
この手で抱くことのできる、俺だけのタケシ先生――
その後は目論見どおりに、タケシ先生を思いっきり抱くことに成功!
それなりに甘く過ごすことが出来たのに風呂から上がった途端、無言で俺の頭を振りかぶって殴りつけ、ベッドでは背中を向けて寝る始末。
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