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Love too late:おとしもの
※【ピロトークを聴きながら】(ピロトーク:郁也さんと周防さん)と内容が一部リンクしております。目線違いの内容をお楽しみくださいね。
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桃瀬が先に大学を卒業、念願の出版社に入社し、営業マンとして活躍している最中、俺は医師免許を取得し、六年間の大学生活に別れを告げ、親父が経営していた内科の病院をアレルギー専門の小児科医院に転換し、小児科医として頑張っていた。
忙しくしているところに、営業の途中で急患を持ち込んだりして、相変わらずのお節介焼きなことをする桃瀬。
呆れながらも対応する俺に、とびきりの笑顔をくれる。それを見られるだけで、充分だと思っていた。
だが今回の急患は、俺の予想外の人物だった。桃瀬の初恋の人だったのだから。
そんなふたりが付き合いだして、早数ヶ月。順調そうにしていると思っていたのに。
「……わるぃ、周防。往診来てくれないか?」
「でたよ、またこの時期なの!? 寝込む前に病院に来いって、いつも言ってるでしょ!」
十月某日この時期は、何かと出版社は忙しいらしい。年末やら正月の調整でバタバタしていて、いつも桃瀬が体調を崩す。
お盆前は何とか病院に顔を出して、周防スペシャルという名の注射をしてあげたから、このときは大丈夫だった。
「ゲホッ! 病院に顔、出す暇も作れなくってさ。気がついたら、ゲホゲホ……くっ、風邪引いちまった」
ところどころ咳きこみながら、すっごく辛そうに喋る。
「悪いけど午前中は診察あるから、そっちに行くのは昼からになるよ。熱は高いの?」
今日がちょうど、土曜でよかった。平日なら夜になってしまうから。
「熱はそれほど、高くないんだけど。ゲホゲホッ! 咳が辛くて寝ていられない」
「胸から上を少し高くして、横になれば少しは咳、治まるから。加湿して、大人しく待ってなさいよね」
さっさと要件を告げて、電話を切った。
桃瀬と一緒に暮らしてる涼一ってコは、何をやってるんだか。無理をするなって注意くらい、出来るだろうに――
内心ムカつきながら、診察の準備をする。今日も一日、忙しくなりそうだ。
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