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Love too late:偽りの恋(太郎目線)2

***  次に気がついたのは病院のベッドの上。俺は点滴に繋がれていた。傍には母親がいて、心配そうに顔を覗き見ている。 「ああ、良かった。気がついたのね」 「俺、一体どうしたんだっけ?」  生徒玄関で倒れた記憶はある。それ以降の記憶が曖昧―― 「アナタ学校で倒れて、救急車で運ばれたの。お医者様から言われたのは、自然気胸という、肺に穴が開く病気だそうよ。背が高くて、痩せた男性がなりやすいんですって」 「肺に穴って、手術とかすんの?」  母親の言葉にギョッとしながら、恐るおそる聞いてみた。 「そこまで大きな穴じゃないから、安静にしていれば大丈夫だそうよ。だけどね――」  その後告げられた言葉は、まったく予想していなかったもので、頭の中が一気に真っ白になっていく。 「それでね、あちこち診るのに精密検査をするから、入院してくださいって言われたんだけど」 「…………」 「お父さんの知り合いのお医者様が、軽井沢の近くの病院にいらっしゃるの。ちょうど別荘もあることだし、そこで治療しながら通院したら、どうかしらって」  ――今まで俺、何も考えないで生きてきた。  今更だけど、ちゃんとした生き方していなかったって思う。すっげー不真面目な生活してきたよな。  ウソばかりのセリフを吐き続け、相手を弄んでばかりいた。そして相手の気持ちを考えず、簡単に使い捨てをして――  俺は一体今まで、何をしていたんだろう? 母親の言葉を聞き流し、自分のしてきたことを、しくしくと反省した。  反省しても取り返しのつかないことくらい分かっているけど、せずにはいられない。消えてしまいたい――  そんな気持ちを抱えたまま次の日の早朝、こっそりと大学病院をあとにした。

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