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Love too late:募るキモチ(歩目線)2

*** 「執事喫茶の宣伝もするんだから、絶対に顔出せよな王領寺。勿論、途中でばっくれるのも禁止だぞ」  帰ろうとしていた矢先に、突然クラスメートから声をかけられ、分かったと言いながら頷いて、ゆっくりとソイツのあとをついて行った。  ――今日でちょうど一週間…… 「どうして、連絡寄こさないんだ。タケシ先生」  そうボヤいたところで、自分のスマホを見ても、反応がないのは明らかなのに、見ずにはいられない。  クラスメートが企画した合コンに、無理矢理参加させられてる最中も、チラチラと無駄な確認作業をしてしまった。 「ねぇねぇ王領寺くんって、あの高台のほうにある、大きなお屋敷みたいなところに住んでる人だったりするの?」 「……ああ。そうだけど」  傍にいる女子に聞かれ渋々答えると、周りから歓声が上がった。 「うわぁ! ホントのお坊ちゃまだ、すごいすごい」 「あのさ、執事みたいな人いるんですか?」 「執事はいないけど、お手伝いさんは何人かいる」 (ウザったい、ひとりにしてほしいのに)  そんなことを考えながら、軽くため息をつく。なのに自分の心情とは裏腹に、どんどん女子に囲まれていった。人ごみに囲まれていると、何だかタケシ先生との距離が、更に遠くに感じてしまうよ。  ――今頃、何をしてるんだろうな。  反応のないスマホを、右手でぎゅっと握りしめ、窓の外を見ると、激しい雨が降っていた。まるで俺の心の中みたい。  意気消沈してる間に、合コンがお開きになり、店の外に出ると、さっきの女子たちが困ったねぇと口々に語り合っていた。 「傘、持ってないの? これ、返さなくていいから使って」  隣にいた、女子に押し付けるように傘を手渡して、持っていたカバンを頭に掲げ、一目散に外へと駆け出す。向かう先は、タケシ先生のところ。勿論、文句を言うためだ。もう辛抱ならねぇからな!

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