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はじめてのクリスマス太郎目線

 食事を終えてシャワーを浴び、リビングでジュースを飲みながら、まったりとテレビを見ていた。  シャワーを浴びるタケシ先生の手に、しっかりとナース服を押し付けたのだが。 「さてさて今頃脱衣所の前で、どんだけーって言いながら、悶絶してるんだろうな」  プレゼントした箱から、ナース服をずるずると引っ張り出したときのあの顔。ショックに満ち溢れていた。  でも絶対に、俺が着るよりも似合うのが分かる!  ワクワクそわそわしながら、何度も浴室のほうに目をやってしまった。んもぅ、どこまで引っ張るんだろう。  やがて――  風呂上りなので必然的に頬が上気しているけれど、いろんなモノが相まっていつも以上に真っ赤になってるタケシ先生が、渋々といった感じでやって来た。 「キャハ━━━━(#゚ロ゚#)━━━━ッ!!」 「バッ、じっと見るなよ」 「いやいやいや、目に焼き付けておかなきゃ!」 「ダメに決まってるだろ、バカ犬がっ!」  首にかけていたタオルを、俺の顔に被せてくる。 「うわっ、何すんだよ」 「もう充分に堪能したろ。下が短すぎて風呂上りなのに、ムダにスカスカする。風邪を引きかねん」  慌ててタオルをポイしたら、タケシ先生は背を向けて、ボタンに手をかけようとしていたときだった。 (せっかくの白衣の天使が、人間に戻ってしまう!!)  慌てて後ろから抱き着いて、その手を止めてやる。 「ダメだよ、まだ脱いじゃダメ!!」 「何でだよ。こんな格好でいたら、絶対に風邪を引く」 「大丈夫だから。その……俺が脱がせたいしさ。寒くないように、あっためてあげるから」  ちゅっと右目尻にキスを落としたら、くすぐったそうに体を揺らしたタケシ先生。 「なら早く脱がしてくれ。恥ずかしくて堪らない……」  ちょっとだけ困った表情を浮かべながら、掠れた声で告げられた言葉についイジワルをしたくなる。 「な、それって恥ずかしいから、脱がしてほしいワケ? それとも俺のことを誘ってくれてる?」  耳元で告げた言葉にうっと押し黙り、しばし沈黙が流れた。やがて―― 「ああ、そうだよ。すっげー誘ってる! 多分誘ってるんだと思う! だから早くしてくれバカ犬っ」  はじめて一緒に迎えるクリスマスイブ。かなりキレ気味な状態だったけど、言ってくれた言葉が嬉しくて、もうニヤニヤが止らない。  そんな俺の顔を見てから、痛すぎる裏拳をしっかりとブチかまし、体を反転させてぎゅっと抱きしめてくれた。  相変わらずアメとムチの使い方が、絶妙すぎるぜ…… 「いつまでこの状態でいるんだ、早くしろっていってるのに、歩。この場に押し倒すかもしれないよ?」  痛む顔面に顔を歪ませていたら、視線を逸らして笑いながら強請ってきた。もうちょっとだけ、天使のタケシ先生を見ていたいんだけどな―― 「しょ~がね~なぁ、ワガママばっかなんだから」  膝裏に腕を入れて横抱きにすると、寝室へ歩いて行く。揺れるたびに、背中の羽がふわふわとしていて、タケシ先生の可愛さが倍増された。 「タケシ先生、ハッピーメリークリスマス」  ベッドに下ろして呟きながら可愛い天使を、胸の中に抱きしめた――  俺の言葉に普段は言ってくれない愛の言葉で返してくれた愛しい人を、一晩中抱き続けたのでした。  めでたし めでたし

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