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この恋すいーつ5

***  次の日、いつも通り学校に行きクラスメートと戯れる。コイツらの記憶は、ハッキリと残っているので、まったく支障がなかった。  ただ―― 「じゃあな、王領寺。明日宿題、見せてくれよ?」 「え……?」  いつもなら一緒に帰り、ゲーセンやらファーストフード店で、だらだらと過ごしていたはずなんだ。しかも宿題の予約までって、一体? 「あれ、今日は行かないのか? 塾らしきトコ」 「塾、らしきトコ?」  ぽかんとした俺に、クラスメートが不審げな顔をする。 「大丈夫か? お前いつも自慢してたろ、自分に合う勉強法を教えてくれる人を見つけたって。別名、塾らしきトコってさ」  ――多分、すおー先生のトコだろう。 「はぁ、何かさ。勉強のしすぎで、頭がおかしくなったのかも。あはは……」  俺は飼い犬らしいので(しかしバカ犬って愛称も太郎って呼び名も、どうかと思われる)すおー先生にきっと可愛がられているらしいところを、そうやって表現しただけだろうと思われた。 「確かに。前のお前なら、勉強のべの字もなかったもんな。入院中に、頭の中を改造してもらったとか?」 「そうかもしれない。マジメモードに変えてもらったんだ、きっと」  すおー先生と出逢って、俺の中の何かが変わったのは事実だと思う。恋愛マジメモードという感じかもな。 「そのマジメモードで、塾らしきトコに行ってくれよ。今日の宿題は難しすぎて、全然ヤル気が出ない」 「分かった、行ってくる。宿題もそこで教えてもらうから」 「ラッキー。頼んだぞ王領寺っ!」  肩をバシバシ叩いて、去って行ったクラスメートを見ながら、こっそりとため息をつく。  記憶のない俺が、すおー先生のところに行って、いいものだろうか――

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