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繋がり届く思い~一緒に島へ~(歩目線)2

***  目の前にある、襖1枚隔てた向こう側には、お父さんとお母さんが寝ているのだが。どうしても確かめたかったことがある俺は、颯爽とタケシ先生の布団に潜り込み、後ろから抱きしめてやった。  その途端、右側にある跳ねた後ろ髪が、ぴくりと揺れる。暫しの間のあと、はーっと深いため息を漏らした。 「こら……いきなり何してくれるんだ、バカ犬」  隣に聞こえないよう、押し殺した声で言ったせいで、いつもより怖さ倍増だけど、おののいている場合ではない。俺にとっては、切実な問題なんだ。 「だ、だってよぉ……どうしても気になったんだ。その、御堂にキスされたっていうのがさ」 「ちょっ、ま――」  タケシ先生が返事をする前に、がばっと覆いかぶさり、唇を塞いでやった。  おいおい、隣の部屋に親父とお袋がいるんだぞ(照)←周防の心の声 「っ……ぁ、うっ……」  抵抗出来ないよう、両腕をガッチリと握りしめ、布団に張りつけにしてやった。ヤル気満々な状態の俺に、心底イヤそうな顔して、眉根を寄せるタケシ先生。 「あと触られたのは、お尻だったっけ」 「お、おい……何をする気なんだ、お前?」 「何って、舐めて拭うだけ」  ケロッと言い放ってみたら、首を激しく横に振りまくった。 「ばっ//// 港で両手を使って掃いまくっただろ。あれでチャラになってるって」 「俺の気が済んでない。だから舐める」 「マジメな顔して、舐めるとか言うな! 隣に聞こえたら、どうするんだ?」  顔真っ赤にして、大声で言ってる時点で、丸聞こえだと思うぞ、タケシ先生。つか、冗談が通じないとか、どんだけ錯乱してるんだろ。 「だって、タケシ先生のことが好きなんだもん」  俺はいたって冷静でいたため、きちんと声を抑えて言った。やっぱハズカシイからな、うん//// 「うっ//// 好きだからって舐めるとか、絶対におかしいから!」 「おかしくないぜ。他のヤツに触られて、そのまんまにしてる方が変だしさ。俺のもんに勝手に触るとか、マジでムカつくってぇの」 「ムカつくのは分かるけど、場所をわきまえろって」 「そうよ。お父さんもいい加減に、襖の前から離れて、ふたりのことを放っておいてあげなさいって!」  隣から聞こえてきたお母さんの声に、タケシ先生と顔を見合わせてから、襖を見てしまった。 「とにかく……自分の布団に戻れ。続きは地元に帰ってから、ちゃんと聞いてやるから」  かなり呆れながら告げられた言葉だったけど、お父さんのお陰で帰ってから、タケシ先生とイチャイチャ出来たのは、ラッキーだったかも。

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