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 —— 身体と愛と涙味の……(17)

「これで、勇樹のやつも、直にもう変な事しないだろ」 「え?」  —— 桜川先輩がもう俺に絡んで来なくなるように、あんな事言ったのか……。 だよな、俺に本気とか、ないよな? 「さて、腹も膨れたし、勇樹も帰ったし、ちょっと眠ろうか」  少し休んだ方がいいから。と、話しながら、みっきーは俺の手を引いて歩き出す。  確かに寝不足で、疲れもピークになっていて、俺は素直にみっきーの言葉に甘えることにした。  螺旋階段を下りて、一番奥の部屋が寝室だった。 「デカっ」  部屋に入ると、すぐに目につくのが、中央にデンっと置いてあるキングサイズのベッド。  そんな大きなベッドが置かれているのに、圧迫感なんて感じない広い部屋には、ベッドの他にヨーロピアンなナイトテーブルや、ソファーが置かれていた。  肌触りの良いシーツを掌で撫でて、ベッドに上がって、心地よいスプリングに身を委ねると、何とも言えない安心感を感じる。 「すげえ、このベッド気持ちいい……」  もう、眠る気満々の俺は、うっとりと瞼を閉じかけていたんだけど……。  近くで衣擦れの音がして、細く目を開けると、みっきーが部屋着を脱いでいる姿が目に入った。 「ちょっ、何全部脱いでるのっ?」  俺は、慌てて起き上がってデカいベッドの端の方に飛び退いた。 —— 殆んど反射的な行動だったと思う……。 「え? 俺もちょっと眠りたいから」  そう言いながら、残り一枚のボクサーパンツまで脱ぎ捨てるみっきー。 「え、ちょっ、だからって、なんでパンツまで脱いでるんだよ」 「ん? いつも寝る時は、何も着ないんだけど……?」  真っ裸のみっきーがベッドに上がると、微かにマットレスが揺れる。 伝わる振動に思わず怯える俺。 「やだなぁ、何を期待してるのかな、直は」  何もしないからと、抱き寄せられて、そのまま抱き合う形で横になったんだけど……。  みっきーの体にぴったりくっついているから、鼻先を裸のみっきーの胸に埋めた状態で、目の前に広がるみっきーの厚い胸板に、顔が熱くなってしまう。 「い、いつも、何も着ないで寝るの?」 「そうだよ、なんか締め付けられてる気がして嫌なんだ。 特に下着がね……」 「デカいもんね……、みっきーの」  俺がそう言うと、みっきーが、わざと腰を密着させてくるから、みっきーのデカいアレが俺の股間に密着して……、って…… ! 「ちょ…… っ何硬くしてるんだよっ」 「ごめんねぇ、暴れん坊だから、俺の」  言いながら、クスクス楽しそうに俺の頭の上で笑ってる。 「大丈夫だよ、何もしないって言ってるだろう? 直はゆっくり休んだ方がいいし、俺もさすがに疲れてるからさ。 暴れん坊も眠ったら鎮まるから、気にしない気にしない」  宥めるように、俺の髪を撫でてくれる手が気持ち良くて、強張っていた身体も力が抜けていく。 「直……」 「んーー?」 「さっき勇樹に言った事、本気だから」 「…… ん…… ?」

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