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 ―― 想う心と○○な味の……(5)

 だから……、 『直くんは、男の俺にこんな事されるの、嫌?』  そう訊かれて、透さんとならいいって思った。  甘い生クリームの味のするキスをして、それから……もっともっと、透さんのことを知りたいと思った。  クリスマスイブのあの夜から、まだ1ヶ月しか経っていないのに、もう随分前の事のように思えるし、逆につい昨日の事にも思える。 『直くんは? どう思ってる? 俺のこと』  …… あの時そう訊かれて、ちゃんと答えていなかったけど……、俺は…… 透さんのこと……。  ** 「おーい、直?」 「…… あ、…… あっ、ごめん、ボーっとしてた」  今、完全に頭の中が透さんでいっぱいになってた。 ……みっきーと話をしていたのに。 「今……、何考えてた?」 「…… 何も……」  ばつが悪くて、目を逸らせば、みっきーの両手に頬を挟むように固定されて、強制的に視線を合わされた。 「透さんの事でも、思い出した?」 「……そんな事……」  ないって言いかけた俺の唇に、みっきーの唇が軽く触れる。 「ちょっ」  俺は、慌ててみっきーの手から逃れようと首を横に振ってみたけど、みっきーが顔を近づけてきて、また唇を重ねられてしまう。  抗議の声をあげると、唇の隙間から舌がするりと挿し入れられた。熱の籠った舌先が、咥内をねっとりと快感を誘うように蠢く。  力が抜けそうになるけど、俺は渾身の力を振り絞り、みっきーの身体を撥ね除けた。 「みっきー! 無理やりにはしないって言ったじゃないかっ!」  反動で床へと転がった俺に、すかさずみっきーが覆いかぶさってくる。 「ちょっ、ふっざけんなって!」  バタバタと暴れる腕を掴まれて、床に縫いとめられた。 「ふざけてなんかないよ、直」  やけに冷静な声で耳元に囁くと 耳朶を甘噛みされて、背中が粟立った。 「……あっ、ん、も……やめろって!」  いったいどうしちゃったんだ。 こんな無理やりやるような事は、今までなかったのに。  体重をかけられて、身じろぐ事すら出来ずに、また唇を塞がれて咥内を深く侵される。  舌を吸い上げて、上顎をなぞり、唾液の水音を立てながら、俺のニットとシャツをたくし上げ、みっきーの手が強引に服の下へ入ってくる。 「…… っ、ん――ッ!」  力では抗えないもどかしさと、なんで急にこんな事という思いで、目尻に涙が溜まっていた。

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