「直……、」 　ぎゅっと抱きしめて、こめかみにキスを落としながら、「今の…もう一回言ってくれる？」と、囁くいつもの甘い声が少し掠れていて、それがなんか余計にセクシーで、また下腹部が熱く疼いた。 「そ、んなの、２回も言えない」 　透さんの声だけで反応しちゃった事を悟られるのが恥ずかしくて、顔を背ければ、「直……、」と、耳元でまたあの声で囁かれて……。 「……　っ、あーもう、一回だけだよ？」 　だって、さっきのは本当に自然にでた言葉だったから……、改めて言うとなると、やっぱりなんか恥ずかしいし！ 　でも、目の前の綺麗な人に、嬉しそうに、期待一杯の顔をされると、拒否なんてできる訳なくて。 あ…… あ…… あい…… 「……　す、き……？」 その言葉は、今まで口にした事のないセリフだから、意識するとやっぱり言えなくて、多分、透さんが聞きたいのは、これじゃないって、分かってるけど……。 「それも嬉しいけど、もうひとつの方が聞きたいんだけど……」 （やっぱり……） 「……　う……」 だって、なんかめちゃ恥ずかしい！ 「ほら、直？」 　あーっ！もぅ！ 「……　愛してる、透さんを……　愛してるよ！」 　言ったよ！しかも２回も言ったもんね！ 　でも言った途端、顔が、カーッと熱くなって、それがまた恥ずかしくて、両手で自分の顔を隠した。 「俺も愛してるよ、直……」 　顔を隠してる俺の耳に、その言葉をあの声で甘く響く。　それだけでもう下腹部で疼いていた熱がゾクゾクと背中を駆け上がる。 「顔、隠さないで。」 　透さんに、やんわりと顔を覆っていた手を解かれて目を開ければ、視界一杯に、透さんの綺麗で艶っぽい顔。 　次の瞬間、唇が重なった。 　歯列をなぞって、上顎を撫でられて、その舌を追いかけて、絡め合い、唾液を送り合う。 　甘い感覚に溺れて、吐息を零して、でも、もっと深く溺れたいと思う。 　キスをしながら足をグッと開かされ、張り詰めた先端を後ろにあてがわれて、俺は透さんの汗ばんだ背中に手を伸ばした。 　透さんがゆっくりと腰を進めて、俺の中を満たすように挿ってくる。 　お互いの体が近くなり、ポタポタと熱い汗が落ちてきた。 「……　透さ、んっ」 　名前を呼んだ瞬間、奥まで一気に貫かれて、俺は透さんの背中をしっかりと抱きしめる。 　その行為は、まるで二つの身体が一つに溶け合っていくようで、胸が熱く震えた。